菅野: データって、無味乾燥なものじゃないんですよ。「あの日あの時、あの人がそこにいた」ということを証明するもの。僕はデータってそういうロマンチックなものだと思っているんです。写真だって映像だって、そうじゃないですか。
1989年11月、鈴鹿にアイルトン・セナがいたということ。いわば、足あとというか……。そういうエモーシャルな部分を伝えたくて。
――ロマンチックですねぇ。
菅野: 他の人とは、データというものの捉え方が違うのかもしれません。それをどう伝えたらみんなに届くんだろう? そう考えることが、こうした表現につながっているんだと思います。
――「データがロマンチックに見える」という人は、なかなかいないと思うんです。もともと菅野さんは、データを扱う仕事をされていたのですか?
菅野: 新卒で電通に入社したのが12年前です。入社したときはインターネット調査が急増した時期でもあったので、自然言語処理など調査データの分析ソフトを作るのが最初の仕事でした。ややこしい調査データを分析したり、高度な解析ツールを作ったり……数理統計やシステムに関する仕事をしていました。一方で、もともと学生時代からコンピュータで音楽を作っていたんですよね。表現をつくる技術という意味では、出自はそちらなのだと思います。
――データを扱う仕事は、かなり長いことされていたんですか。
菅野: 7〜8年やっていました。表現のほうにシフトしたのは、ここ3年くらいのことです。Webやデジタル領域にアイディアや技のあるのプロモーションができないか、というクライアントからのニーズが増えてきてプロジェクトに呼ばれたりしはじめました。そうやって関わった初期のプロジェクトが、CONNECTING LIFELINESだったんです。
――なるほど。データを使った広告表現という視点だと、他にどんなお仕事をされたのでしょう?
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