まるで“時限爆弾”――女性の「溜める」心理、その傾向と対策女性脳と男性脳の論理(1/4 ページ)

» 2014年04月07日 08時00分 公開
[溜田信,GLOBIS.JP]

 2月は大雪の週末が続いた。記録的な大雪で、1週間たっても道端には雪が残っていた。私は、それを見ながら思い出していた。そうだ。故郷の札幌では、こういう雪の事を「根雪」と呼んでいた。春が訪れるまで溶けない「根っこの雪」。

 そう、消えない。例えば女性の脳裏にこびりつく男性への恨みつらみのように……。思わず身震いしてしまう。

 ということで、「忘れる」から始めた本連載、今回は「消えない、忘れない」というテーマでいきたい。それは、前回のインタビュー中の一言にドキッとしたことから始まる。

Aさん:ある日コップの水があふれるかのように「あー、ないない」って思うんですよね。彼氏にしたらコップの水が溜まってるなんて露ほど思ってなくて、だけど私は日々このリミットがくるのをずっと見ていた――っていう。

 少し説明すると、この会話は「別れたくなる瞬間」に話題が進んだときに出てきた発言だ。要は、男性からすると別れを突然切りだされたように思えるが、女性側は全く突然とは思っていない。女性は相手の性格や行動について「嫌だな」と思うことを日々溜めているが、男性はそのことにまったく気付かず、我慢の蓄積が許容限度を超えると「別れる」という話だ。

 一見、これは前回の「女は一度別れた男のことはきれいさっぱり忘れ、男は未練がましい」という類の話と逆に見えるが、別れた後は「忘れる」。別れる前は「溜める(=忘れない)」ということと考えれば矛盾しないということか。

「なんでそのときに言わないの」って男の人は言うんですよね

 なぜ今回この話を取り上げたかというと、このインタビューを聞いている最中に、個人的な経験がイヤというほど蘇ってきたからだ。

 前回も書いたが、

女:あなた、以前に***と言ったわよね。それに、×××のときにも、○○○○したじゃない。

男:なんで、そんな昔のことまで蒸し返すんだよ。だいたい、よくそんなこと覚えていられるよな。

 という、「思い出」と言うと言葉の響きはいいが、本人にとっては針のむしろ的なものだ。

 なぜ「針のむしろ」なのかというと、こういうときに相手の女性から指摘されていることは確かに事実として存在し、かつこちらに落ち度のあることばかりなので、こちらにとっては不利な状況だ。しかし、そういうときに限って自分はその状況を全く覚えていないので、この不利な状況を打開できず一方的に責め立てらるれことになるからだ。

 こういう経験が何回あったかは数えていないが、何回もあったという気持ちだけは覚えている。そのわりには、いまだに有効な打ち手を思いついていない。そこで今回は、この謎を解明し、あわよくば返り討ちに出来るほどの手を見つけて、同じ経験を共有する同志(男性)に貢献したいと思う。

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