理系、外資系戦略コンサル出身。ビジネススクールでは論理思考を教える“男性脳”の筆者が、摩訶不思議な存在である女性と女性の脳を観察、分析するコラム第1回は、女心も「マーケティングは愛だ!」も分からない私が、なぜこんなテーマでコラムを書くことになってしまったのか――。
先日、日経新聞1面の
GMに女性CEO、バーラ氏昇格、世界の自動車大手で初
(2013年12月11日付・朝刊)
という見出しが目に飛び込んできた。新しい時代が来ている……、それが最初の印象だ。
少子高齢化に伴う労働人口の減少や、組織構成員の多様性を高めることでより創造的なチームを作ろうとする動き、主要国との比較など、日本でもさまざまな角度から「女性の活用」について言われるようになった。「管理職昇格者の3割を女性に」など、明確な数値目標を掲げる企業も増えている。
これについて、私個人は、女性がマネジメント職に就くことに全く抵抗がない。過去に所属したコンサル会社でも、今のグロービスでも、周りにいる優秀な女性マネジメントの人を実際に見ているからだ。それ以上に、むしろマネジャーには女性のほうが向いているのではないかとさえ思っている。それは女性のほうが、周りのスタッフや上司、部下の心情を理解し、細やかなマネジメントが出来ると思うからだ。
ただ、こんなことを言うからには、私が女性の事をよく理解している……かというと、それはない。理解できているように感じるのは仕事に関連していることぐらいで、それ以外はまったく自信がない。
正直に告白すると、私にとって「女性は謎」だ。私の記憶にこびりついている言葉の1つに「溜田君は、いまだに女心が分かっていないね」というものがある。さらに悪いことに、その女性の言葉の意味すら、いまだに分かっていない。意味が分からないので、同じことを言われぬように学習することさえできない。
そんな私が、今回「女性脳と男性脳の論理」なんていうコラムを書くことになった。きっかけは、グロービスの凄腕編集長(と私が勝手に命名している)K女史から「発信してください」と言われたこと。「書くことがない」「断ろう」と思って会話を始めたのに、何をどう騙されたか、気が付いたら「書きます」と答えていた。こんな具合に……。
K: 溜田さんの興味あることは?
私: 宇宙。それと脳。
K: それはどちらも不思議だからですか?
私: はい。
K: じゃ、他に不思議に思っていることは?
私: 女性。女性の事はずっと謎。
K: それ発信してみません?
私: どれ?
K: だから女性。あと、脳。
私: ???
K: 分からない人が分かるようになった過程を説明すると説得力あるじゃないですか。しかも、女性って右脳の固まりみたいなイメージがあるけれど、溜田さんが所属しているファカルティ・グループ(グロービスの教授会グループ)は……?
私: ……思考ファカルティ・グループ。
K: でしょ? 左脳で解釈するプロ集団じゃないですか!
私: ……女性の脳を、論理的に理解できるか、っていうことね。
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