コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。齢40にして、自分の仕事についての足跡を残したくなり、仕事の合間に誠ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」を始める。
旅行とお酒が大好きだが、コンビニ経営をしていると、なかなか旅行に行く時間がとれない。その一方で、アルコールの量は増えるばかり。
多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。
筆者は大手コンビニの本部社員として活躍し、現在では店舗を構えるオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
コンビニに行って、「あれ、もう新商品がないの?」といった経験をしたことがある人も多いだろう。本欄で、その謎に迫ったコラムを書いたが(関連記事)、その一方で、コンビニにはあまり売れていないのに置き続けている商品がある。
例えばロッテの「グリーンガム」。1957年(昭和32年)発売なので、コンビニが日本で生まれる前からのロングセラー商品だ。ところが、今ではキシリトール系ガムに押され販売は低迷。当店のデータでは、ガム総売上の2〜3%といったところだ。
それでも、棚からは外さない。ある新商品が発売したときには「グリーンガム」よりも売り上げが高かったにもかかわらず、なんの躊躇(ちゅうちょ)もなく棚から外した。
いわゆる定番商品というのは、ほかにもたくさんある。飲料では、ポッカサッポロの「ポッカコーヒー」(正式名はポッカコーヒー ニューオリジナル)やサントリーの「ウーロン茶」といった商品も、新勢力に押され売り上げは減少しているものの、ほとんどのコンビニで販売している。
なぜコンビニは定番商品を棚から外さないのか。そのカテゴリーを代表する商品は、根強いファンがいて「コンビニ行けば、確実にある」と思い込んでいる。ということは「置いていない=品ぞろえが悪い」と評価されてしまうので、オーナーはなかなか定番商品を外せないのだろう。
商品群によっては、定番商品の名称がそのまま商品群全体を示す名前となっている場合もある。「フリスクありますか?」と聞かれた場合は、フリスクそのものを尋ねられたのではなく、タブレット菓子全体を指しているといった感じだ。
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