「ゆとり」部下をどうマネジメントするかプロフェッショナルサラリーマン――実践Q&A編(1/3 ページ)

» 2014年01月06日 12時10分 公開
[俣野成敏,Business Media 誠]

集中連載「プロフェッショナルサラリーマン――実践Q&A編」について:

 本連載は、俣野成敏著、書籍『プロフェッショナルサラリーマン――実践Q&A編』(プレジデント社)から一部抜粋、編集しています。

 『プロフェッショナルサラリーマン』と『図解版 プロフェッショナルサラリーマン』で熱狂的支持を集めた俣野成敏氏、待望の新刊。

 プレジデント社のWebサイト「PRESIDENT Online」に寄せられた仕事や職場に関するビジネスマンの悩みに俣野氏が答えた、リアルなQ&Aをまとめた1冊。

 上司部下、同僚との関係や、職場環境、キャリアや勉強法まで様々な悩みを、“いま"という時代を捉えつつ俣野氏が鮮やかに回答した47編のQ&A。

 Web上には露出せず書籍のみに収録したQ&A特別編数点のほかに、日本一有名なサラリーマン「島耕作」の作者、弘兼憲史氏と俣野氏との対談も特別収録した。組織、仕事、そしてプロとは何か……。

 真のプロフェッショナル2人の言葉があなたの未来を拓く!


(Q)俣野さんが「若者に仕事を教えることによって、社内に自分の城を築くことができる」とおっしゃるので、私も意識して後進の指導に当たろうと思っています。ところがこのたび、どこの部署でも使いものにならず、あちこちでたらい回しにされた揚げ句、私の部署で引き取ることになった後輩の教育係を命じられてしまいました。彼はゆとり世代のせいか、礼儀がなっておらず、叱っても煮え切らない態度をとるばかりで、こちらが進んで教えたくなる人間性を備えていません。このようなタイプの新人を組織人として更生させる秘けつがあれば教えてください。(製紙メーカー、男性、38歳、入社12年目)

(A)僕は「ゆとり世代だからダメ」だとは思いませんが、こういう人はいますね。

 どこの部署でも匙(さじ)を投げたということは、本人は入社以来、仕事でうまくいったことがほとんどなく、会社では怒られてばかりいたということでしょう。したがって彼の仕事観は、おそらくこういうものです。

 「会社というのは怒られるところだ」

 「注意されたら、そこを直せばいい」

 「我慢さえしていれば、給料をもらえる」

 今のままでは、自分を積極的に改善・改革していこうという意欲的な姿勢など、到底期待できないでしょう。

 このような人物を更生させるには、基本的に自信をつけさせるしかありません。言葉は悪いけれど、バカでもできるような仕事を与え、それがちゃんとできたら、それに対してお礼を言う。この繰り返しです。

 すると本人は「仕事をしてお礼を言われることなんてあるのか」とショックを受けるはずです。なにしろ今まで、叱られることはあっても、お礼を言われたことなどほとんどないのですから。

 そうやって初めて達成感を味わったり、人の役に立つ喜びを知ったりするうちに、自信がついて仕事の面白さがわかってくるはずです。そうやって更生させるのが一番いい方法だと思います。

 しかしこのような指導方法には違和感を持つ人もいるかもしれません。

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