父: いま、お父さんかなりショックを受けて、食欲も吹っ飛んだよ……。何かしら「お父さんのいいとこ」を挙げてくれない? でないと、立ち直れない気がする。
娘: いいとこかー、うーーーん……何だろな。
父: 何かあるだろ? ウチのとーちゃん立派だなとか、すげーなってなる瞬間が。
娘: 物知りでいろいろ教えてくれるよね。知識が豊富。宿題でわからないとき、お母さんが分からないことを、お父さんはサッと教えてくれたりするとき、スゴイって思う。
父: そうだろそうだろ、他には?
娘: 英語ができるとこも、かな。映画を字幕なしで観れたり、英検1級持ってるところとか。海外旅行に一緒に行っても、安心だし。
父: うんうん、もっと言いなさい。
娘: そんなところかな。あ、でも英語で歌を歌うの、ヘタ過ぎて耐えられない。車の中でビージーズ(BeeGees)のCDに合わせてカラオケするの、やめてくれる?
父: はい……。
父: キモくないお父さんを目指して努力したいんで、「こうすればキモくない」ってリクエストを聞かせてよ。
娘: じゃあね、ベタベタじゃなくて、もっとあたしに厳しく接してくれる?
父: 厳しく? リクエストとして、変じゃない?
娘: もっと、自然に振舞ってほしいの。娘が好きって感情を抑えて、いいものはいい、ダメなものはダメって言ってほしい。親は子どもに対して、叱るべきときはビシっと叱るべき。甘やかしてばかりだと、何ていうのかな……子供の人生をダメにしちゃうんじゃないの?
父: まじめか! そんな、優等生っぽい答え、聞きたくねーわ。
娘: 娘に好かれたいがあまりに、必要以上に甘くなったり、モノで釣るようなお父さんにはならないでよ。
父: (ギクッ)……。
娘: 頼みもしないのに、よくアイス買ってくれたりするよね?
父: ま、まあ今年の夏は格別に暑かったからな。えっーと、もしもだよ? お父さんがサオリに、「何でも買ってあげるから、好きなものを言ってごらん」とか「お小遣いがほしいのかい? いくら必要だい?」ってすり寄ったりしたら……?
娘: みっともないって。そんなことで、あたしが心を開くとか、キモいって思わなくなるなんて、ないからね。
父: だ、だよね。確認しただけだよ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング