やりたかったことができなかった人が死ぬときに後悔する34のリスト(1/2 ページ)

» 2013年09月18日 07時00分 公開
[川嶋朗,Business Media 誠]

集中連載「人が死ぬときに後悔する34のリスト」について

本連載は、川嶋朗著、書籍『医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト』(アスコム)から一部抜粋、編集しています。

明日死ぬとしたら、あなたは人生を後悔しない自信がありますか? 人はいつ死ぬか分かりません。もしかしたら明日、いや、今日死んでしまうかもしれないのです。そのときに後悔をしても手遅れです。だからこそ、生きているいま、やるべきことをやらないといけないのです。

「なぜ生きたいのかを真剣に考えてこなかった」「やりたかったことができなかった」など、本書では、人が死ぬときに後悔することを34のリストにして紹介しています。来るべき死を他人事ではなく、自分にも必ず訪れる人生の義務のようなものととらえ、今生きている人たちが後悔なく、納得して人生をまっとうするためのヒントを提示しています。


著者プロフィール:

川嶋朗(かわしま・あきら)

東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長、医学博士。漢方をはじめとするさまざまな代替、伝統医療を取り入れ、西洋近代医学と統合した医療を担う。

「理想的な死とは何か」を考え、QOD(クォリティ・オフ・デス=死の質)を充実させることを提案。『医師が教える幸福な死に方』『すべての病は「気」から』ほか著書多数。


若くして死を宣告されてしまった

 クリニックには、まだ若くして末期がんになった人や、ALSの患者もいます。

 ALSは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気で、原因究明の研究が多くの研究者によって進められていますが、今はまだ治療法がなく、難病のひとつに指定されています。

 人生の半ばで死をつきつけられた患者が「やりたいことがたくさんあるのに……」と言うたびに、胸が張り裂けるように痛みます。患者の家族の思いを察すればなおさらのことです。

 「医療は日進月歩、進化しています。明日があるからね。iPS細胞だってある。絶対希望を捨てるな。希望を捨てたら終わりだから」

 そう励まして、いろいろな代替医療の情報を提供します。そして、どんな治療をするか、最終的には患者自身とその家族で決めてもらっています。

金子哲雄さんの死に思うこと

 2012年10月に「肺カルチノイド」という病気のために、41歳という若さで急逝した流通ジャーナリスト金子哲雄さんの著書『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』(小学館)を読みました。

 まだ41歳という若い年齢ですから、死を目前にして自分の心境をジャーナリストとして伝えたいという思いを成し遂げたのは、すごい生き様であり、死に方だと思います。

 金子さんは医師に呼ばれ、悪性の腫瘍が体をむしばんでいることを告げられました。同書によると、2011年6月に余命を尋ねたとき「今すぐ亡くなったとしても、驚きません」と説明されたとあります。

 そこから妻と二人三脚での闘病生活、約500日。自身の葬式も準備し、生前にお通夜や告別式の会葬礼状の文面もしたため、闘病生活の一部始終を書籍に残す時間をつくったことは、ジャーナリストとしての金子さんの使命感だったのでしょう。見事な闘病記でした。

 社会的な意義としては満点だったとしても、本人が幸せに死んだかどうかは分かりません。若くして亡くなったことを思えば、本人も家族にも悔いが残ったのではないかと思います。

 ただ病気に関しては原因が何かあったはずですから、それは何だったのだろうかとも思います。2010年の秋ごろから咳とむくみが出ていたと書き記されています。

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