最初は売れなかった? これまで語られなかった「じゃがりこ」の裏話これからの働き方、新時代のリーダー(前編)(1/6 ページ)

» 2013年09月13日 08時06分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 記者が新幹線に乗っているときのことである。隣に座っている大学生風の男性が、車内で買った「じゃがりこ」をものすごい勢いで食べていた。あっという間に平らげた彼は、数分後にやって来たパーサーに、再び「じゃがりこ、ください!」と注文したのだ。

 近くにいた友人たちは、その男性の行動を見かねて「お前、大丈夫か? 食べ過ぎだろう?」と心配していた。が、その男性は「うーん……でも、やめられない、とまらないんだよねえ」と言っていた。

 「やめられない、とまらない……」というキャッチコピーは別の商品だが、どうやらその男性にとっては「じゃがりこ」を口にすると、そんな状態になるようだ。

 「じゃがりこ」といえば、カリカリ・サクサクした独特の食感が特徴だ。カルビーが1995年に発売して以来、ロングセラー商品となっているが、広告サイドからの開発秘話はあまり知られていない。なぜか? それは開発に携わった担当者が、多くを語らなかったからだ。

 その人物の名前は、甲斐健さん(47歳)。コピーライターなどの肩書きを持つ甲斐さんは、どのような形で商品開発に携わっていたのか。発売以来、18年の時を経て、いま当時の秘話を語ってくれた。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。

1995年に発売された「じゃがりこ」は、いまなお多くの人に親しまれている

甲斐健さんのプロフィール:

1966年、大阪府交野市生まれ。関西大学社会学部卒業後、1989年、第一企画株式会社(現在のアサツー ディ・ケイ)入社、東京本社の制作局勤務となりコピーライターとなる。その後、クリエイティブエージェンシーの設立に参加、1998年からフリーランス、現在に至る。

2013年、地元交野市で地域活性化のための市民大学を設立、企画・プロデュースをつとめる。


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