悩んだら上司ではなく、隣の部門の先輩に話してみる絶対に達成する技術(1/2 ページ)

» 2013年08月08日 08時00分 公開
[永谷研一,Business Media 誠]

集中連載「絶対に達成する技術」について

本連載は、永谷研一著、書籍『絶対に達成する技術』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。

あなたは「いつも目標を達成する人」は、どんな人だと思いますか? 根性がある人、負けず嫌いな人……、いろんな人を思い浮かべるかもしれませんが、目標を達成できる人とは特別な能力を持った人ではありません。

目標達成とは、根性論や気合いとは無縁の、単なる「技術」なのです。やる気があるかどうかも、関係ありません。やり方を知っているか、知らないか。それだけです。つまり、「すごい人」や「才能に恵まれた人」だけが使えるものでははなく、誰でもマスターできるということです。そして、一度その方法を身につけると、そこから少しずつあなたの可能性が広がっていくのです。

本書では、目標を達成したい、少しでも自分を成長させたいと願う多くの前向きな人たちに向けて「5つの技術」をやさしく解説しています。さまざまな企業で「目標達成」の研修を行い、それぞれの人の「目標設定」と数カ月後の「実際に達成できたのか」のデータをのべ1万人以上にわたって分析したプロフェッショナル・永谷研一が、“絶対に目標達成できる技術”を教えます。


著者プロフィール:

永谷研一(ながや・けんいち)

発明家、株式会社ネットマン 代表取締役。

1966年静岡県沼津市生まれ。東芝テック、日本ユニシスを経て、99年4月、学校や企業の教育にITを活用した「学び合う場つくり」を提供する、株式会社ネットマンを設立。

心理学や行動科学などの豊富な知見をベースに、教育用ITシステムの企画や開発、運営を行う。また、日立、三菱東京UFJ銀行、旭化成グループ、楽天、キヤノンMJといった企業での「目標達成」「習慣化」などの研修を行うほか、明治大学、東海大学などでキャリア開発研修の講師を務める。

人材育成系のITシステムで日本初の特許のライセンス保持者。2005年特許出願。2007年日本で取得完了。2012年米国にて取得を成功。

2001年よりケータイを活用した授業システムを提供しているパイオニアであり、現在佐賀県武雄市教育委員会のiPad利活用教育のアドバイザーなどでも活躍中。

NPO人材育成マネジメント研究会理事長も務める。日本の元気を取り戻すべく教育イノベーションを提唱し、全国に未来を創る教育イノベーターを生み出すことに注力している。


縦の関係は「育成」には不器用。無責任なナナメの関係を活用する

 みなさんは、仕事で悩みがあったら、まず誰に相談しますか? ほとんどの場合「上司」と答えるでしょう。もしくは、同じ部門で仕事をしている先輩に相談すると思います。

 ふだんから一緒に仕事をしている人なら、仕事の悩みを説明することは容易です。聞き手が上司や先輩なら、ある程度理解できるでしょう。例えば、以下のような悩みがあります。

 「思うように受注ができない」
 「お客さまへの提案内容を、どうしたらいいか分からない」
 「技術的な問題に、解決の糸口がつかめない」
 「新しい機材の使い方が分からない」
 「海外との交渉がうまく進まない」

 日々、仕事を一生懸命行っていれば、誰でも必ず壁にぶつかります。悩みが生まれるほうが健全です。そして、この例のようなレベルの悩みであれば、自分の力で解決することもできるかもしれません。

 もちろん、クレームや納期遅れなどの重要な問題が発覚した場合は、直属の上司に素早く報告するのは当然です。しかし「大問題ではないが、ふだんの仕事がうまく進まない」というちょっとした壁を、1人ではなかなか乗り越えられそうもないときにはどうすればよいでしょうか。

 上司や先輩に質問しても「自分で、もっとよく考えてみろ」と言われるのが関の山かもしれません。

 私が28歳、システムエンジニアのころに、あるお客さまの工場の生産管理システムをゼロからつくりあげる、プロジェクトのリーダーを任せられたことがあります。お客さまの要求仕様をまとめて設計書にするだけで、1年がかりの大規模なものです。

 設計の最中、何度も壁にぶつかりました。ある日、1週間考え抜いても答えが出ないので、どうにもならなくなり上司に相談しました。そのときの上司のひと言は強烈でした。「お前本当に真剣に考えたか? 考えてないだろ。だって、頭から煙が出てないぞ」と突き放され、結局、何のアドバイスももらうことはできませんでした。「こりゃ、1人でやるしかないな」と思い、必死にシステムを完成させたことを覚えています。

 私は今でも、そのときの上司には感謝しています。あのときに「答えはこうだよ」と教えてもらっていたら、その後の私は甘ったれになってしまい、厳しい仕事を乗り越えることができなくなっていたでしょう。「自分の力でやりきれるんだ」という信念は、この仕事で身につけたのです。

 一方で、隣の部門の先輩にはよく相談しました。その先輩は「その件なら、あの人に聞いたら分かるんじゃないか」「むちゃくちゃな要求は“無理です”と、キッパリ言うことも大切だよ」などと、親身になってアドバイスしてくれました。

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