知人が新刊を上梓した。タイトルは『サイバーセキュリティ読本』(原書房)、著者は一田和樹(いちだ・かずき)氏だ。書名だけみると、業界関係者向けの専門書のようだが、中身は違う。私のようにPCが苦手というおじさん世代でも易々と読めるサイバーセキュリティの解説本だ。感想は「背筋も凍るほど怖い」……。私を含め、インターネットやスマートフォンを日常的に使うユーザーは目を通す価値がある。改めてセキュリティを考え直すきっかけになる良書だ。
私は7年前、当時セキュリティコンサルタントだった一田氏を取材し、同氏から得たデータを小説に生かした。専門用語満載のインタビューを覚悟したが、一田氏は素人にも分かりやすく解説を加えてくれたので、小説の執筆がスムーズに進行した経緯がある。
中身は、お堅い解説ではなく、架空の書店が舞台となり、従業員たちが会社のセキュリティを会議の場で詰めていく小説タッチで進行する。
この中で、本稿読者にも身近なスマホについての項目を引用してみる。小見出しはこうだ。『スマートフォンは穴の空いた財布』……。スマホについてこんな危険が潜んでいると同書は告げる。
1.重要な個人情報が全て入っている 電話番号、知人や取引先などの連絡先(名前、電話番号、メールアドレスなど)、メールの記録、写真や動画、各種サービスのIDとパスワード
2.中毒になりやすいゲームなど安易に課金されやすいサービスが用意されており、決済も容易
3.個人情報を拡散するソーシャルネットワークがたくさんあり、ほとんどの利用者が加入している
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