食べ物の値段に“モノサシ”を持とう! まだまだ出てくる怪しい食品相場英雄の時事日想(1/4 ページ)

» 2013年07月18日 08時00分 公開
[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『震える牛』(小学館)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『鋼の綻び』(徳間書店)、『血の轍』(幻冬舎)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 最近、週刊誌や一般紙で“食品”の裏側にスポットを当てた企画や記事が増えていると感じるのは私だけだろうか。全国展開するファストフードやコンビニの台頭で、低価格な食品や食材が身の回りに溢れている。

 当欄でも何度か触れてきたが、低価格、あるいは激安の食品には必ず理由がある。食品添加物がふんだんに盛られている、あるいは日本とは全く違う安全基準で生産された野菜を使用している等々だ。

 改めて読者に問いかけてみたい。自分が口に入れている食品は真っ当なモノなのか。食べ物の値段について、自分なりのモノサシを持つことが肝要だ。

週刊文春の「激安ニセモノ食品」特集

『クズ肉を固め、脂身、柔軟剤を注入した「成型肉」が大量流通 食中毒 発がんリスク』

 『「激安ニセモノ食品」が危ない』

 かなり刺激の強い見出しを掲げ、格安焼肉チェーン店各社を徹底取材したのが『週刊文春』(7月18日号)だ。

 見出しにある「成型肉」について、同誌はこんな説明を加えている。

 ……このような加工肉は我が国でも珍しくない。約四十年前、牛肉の流通量不足を補うために日本で開発された「成型肉」がそれだ。当時、牛肉は高級食材だったが、捨てるようなクズ肉や牛脂を使って、庶民にも手が届くようにしたのである。例えば、スーパーなどで売られているサイコロステーキは代表的な成型肉だ。赤身肉と脂身が不自然に混じりあい、一目で人工的に作られた肉だと気付く……

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