人の心をつかむ、「エレベータースピーチ」とはネイティブに伝わるビジネス英語(1/4 ページ)

» 2013年04月12日 08時00分 公開
[デイビッド・セイン,Business Media 誠]

集中連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」について

 本連載は、日本人の英語を知りつくしたベストセラー英語教師、デイビッド・セインさん執筆の書籍『出社してから帰るまで ネイティブに伝わるビジネス英語700』『30秒英語プレゼン術 エレベーター・スピーチでビジネス英語のレベルが一気に上がる!』『打ち合わせから出張まで ネイティブに伝わるビジネス英語 ワンランクアップ編』(アスコム刊)から一部抜粋しています。

 ――あなたは残念な英語になっていませんか? ビジネス英語では、日常英会話よりもさらに、伝えたいことが正確に、はっきりと伝わることが大切です。

 でないと、思わぬ誤解から、仕事が失敗に終わったり大きな損失を出してしまったり、相手を怒らせてしまう可能性があるのです!

 しかし、実際のビジネスシーンでは「使ってはいけない表現」を使ったり、「誤解されやすい表現」を使ったり………。残念なビジネス英語が飛び交っています。そして、そのことに気付いていないのは話している本人だけだったりします。

 書籍では、使ってはいけない表現と、ネイティブに「ちゃんと伝わる」表現を紹介しています。


 日本人の英語を知りつくしたベストセラー英語教師、デイビッド・セインさんによる連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」。今回からは「エレベータースピーチ編」。ネイティブに言いたいことが伝わり、かつエレベーターに乗っている短時間で相手の心をつかめる英語表現を紹介します。

 →連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」バックナンバーはこちら

エレベータースピーチが出世のカギに

 住生活グループの藤森義明社長は、エレベータースピーチで成功をつかんだ1人。雑誌『理念と経営』の2011年11月号で重要性を明言しています。

 藤森社長は今のポジションにつく前はGEに所属して、GE代表取締役兼CEOを務めていました。そのGE時代に肌で感じたのが、エレベータースピーチの必要性と重要性。ビジネス界で生き残るためには、人生で成功するためには、この能力がないと駄目だとひしと感じたそうです。

 というのも藤森社長はGE時代、新旧CEOである、ジャック・ウェルチやジェフリー・イメルトとのコミュニケーションは本当にごく短い時間に限られて、エレベーター内のわずか15〜30秒が常でした。ここでプロジェクトの評価を聞かれ、うまく答えられなければアウト。相手に興味を持たれなければプロジェクトも個人も、まったく評価されないのです。昇進もなにもあったものではありません。

 その現実にがくぜんした藤森社長は、自身のプレゼンテーション能力を磨くためアメリカに渡って徹底的に訓練しました。そして、いつでもはっきりと分かりやすく伝えたいことをごく短時間で凝縮して伝えるテクニック、エレベータースピーチを身につけました。

 そして最終的にGEでの最高ポジション、代表取締役兼CEOに登りつめます。そして、今の会社でも代表執行役員社長として活躍しています。エレベータースピーチはアメリカではごく当然のビジネススキルの1つです。英語を使って仕事をする場合、このエレベータースピーチがいかにうまくできるかによって、今後のビジネス、そしてあなた自身の人生の明暗が大きく分かれるといっても過言ではありません。

 エレベータースピーチのスキルは、磨いておいて損はありません。むしろ、一歩抜きんでるために、今すぐにでも手に入れたいビジネススキルなのです。

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