本連載は、日本人の英語を知りつくしたベストセラー英語教師、デイビッド・セインさん執筆の書籍『出社してから帰るまで ネイティブに伝わるビジネス英語700』『30秒英語プレゼン術 エレベーター・スピーチでビジネス英語のレベルが一気に上がる!』『打ち合わせから出張まで ネイティブに伝わるビジネス英語 ワンランクアップ編』(アスコム刊)から一部抜粋しています。
――あなたは残念な英語になっていませんか? ビジネス英語では、日常英会話よりもさらに、伝えたいことが正確に、はっきりと伝わることが大切です。
でないと、思わぬ誤解から、仕事が失敗に終わったり大きな損失を出してしまったり、相手を怒らせてしまう可能性があるのです!
しかし、実際のビジネスシーンでは「使ってはいけない表現」を使ったり、「誤解されやすい表現」を使ったり………。残念なビジネス英語が飛び交っています。そして、そのことに気付いていないのは話している本人だけだったりします。
書籍では、使ってはいけない表現と、ネイティブに「ちゃんと伝わる」表現を紹介しています。
日本人の英語を知りつくしたベストセラー英語教師、デイビッド・セインさんによる連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」。第20回は感謝の言葉や祝福する気持ちを表すときによく使われるフレーズを紹介します。主に喜びの感情表現が中心です。
→連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」バックナンバーはこちら
まずは、意味は似ていますがネイティブには伝わりにくい表現から。
Thank you very much. はよく使う言い回しで、具体的に何かをしてもらったあとに言うには最適な言葉です。しかし、ビジネスの場などで以前にお世話になったことに対してお礼を言うのであれば、何に対して感謝をしているのか具体的に伝えることが大切です。
Your work was great.は「あなたの働きは素晴らしかった!」ではなく、この場合「あなたの技術はすごかった」の意味で、普通はビジネスの場では使わない言い回しになります。相手の働きを素直に褒めるのであれば、You did a great job! 「素晴らしい仕事をしましたね!/素晴らしい働きでしたね!」が自然な言い回しです。
ここからは、いくつか例文を紹介します。
Thanks to you……を付けることにより、We succeeded in developing this new product.が持つ「威張った感」がなくなります。
Thanks to you ……を使って、具体的に何に感謝しているのか伝えると誠意が伝わります。
人を褒めるときは顔が見える褒め方をしたいもの。個人名を言ったほうが、感謝がより伝わります。
「君の創造性のおかげで、クライアントが承諾してくれたよ」のように、何に感謝をし、その結果、どういう成果があったのかまで具体的に言えば、なおよいでしょう。
back upは、「支える」よりも「裏付けする」のような意味なので、この場合はcoverを使います。
I’m happy that...は、実は冷めた言い方で「ギリギリOK」というニュアンスです。reallyを入れてI’m really happy that...にすれば、正真正銘の喜びが伝わります。
helpとhelping outの違いは、実はネイティブでも悩むところですが、help outには...help us out of a difficult situation「私たちを困難な状況から連れ出してくれる」というイメージがあります。Thanks for helping us out. により感謝の気持ちを感じるネイティブが多いのはそのためです。
Thanks. だけでももちろん問題はないでしょうが、I owe you one. のほうがより深い感謝を伝えられます。
Thank you for your hard work. だけだと、平凡な言い回し。1つ工夫すれば、感謝の気持ちはよりストレートに相手に届きます。
「こちらが高い期待をしていたにもかかわらず、それをも超える働きであった」という心のこもった褒め言葉です。
次回は、ランチや接待、パーティを楽しむための表現を紹介します。
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