OKは「まあまあ」の意味で使うことが多いネイティブに伝わるビジネス英語

» 2013年03月15日 08時00分 公開
[デイビッド・セイン,Business Media 誠]

集中連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」について

 本連載は、日本人の英語を知りつくしたベストセラー英語教師、デイビッド・セインさん執筆の書籍『出社してから帰るまで ネイティブに伝わるビジネス英語700』『30秒英語プレゼン術 エレベーター・スピーチでビジネス英語のレベルが一気に上がる!』『打ち合わせから出張まで ネイティブに伝わるビジネス英語 ワンランクアップ編』(アスコム刊)から一部抜粋しています。

 ――あなたは残念な英語になっていませんか? ビジネス英語では、日常英会話よりもさらに、伝えたいことが正確に、はっきりと伝わることが大切です。

 でないと、思わぬ誤解から、仕事が失敗に終わったり大きな損失を出してしまったり、相手を怒らせてしまう可能性があるのです!

 しかし、実際のビジネスシーンでは「使ってはいけない表現」を使ったり、「誤解されやすい表現」を使ったり………。残念なビジネス英語が飛び交っています。そして、そのことに気付いていないのは話している本人だけだったりします。

 書籍では、使ってはいけない表現と、ネイティブに「ちゃんと伝わる」表現を紹介しています。


 日本人の英語を知りつくしたベストセラー英語教師、デイビッド・セインさんによる連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」。第16回は会社内で進ちょく報告をする際によく使われる会話やフレーズを紹介していきます。

 →連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」バックナンバーはこちら

チャプター16:報告編

 まずは、意味は似ていますがネイティブには伝わりにくい表現から。

報告をしてくれますか?

  • Could you give me a report?
  • Please report to me. ←ネイティブには伝わりにくい表現

 ついreport to ……を使いたくなりますが、動詞のreportには「報告する」以外に「管理下に入る/直属になる」の意味があり、Please report to me.であれば「私の部下になりなさい」ということになります。「報告する」であれば、名詞のreportを使いgive a reportにしましょう。


うまくいきました!

  • It went well!
  • It's okay. ←ネイティブには伝わりにくい表現

 okayは「ベスト」ではなく「まあまあ」として使うことが多い形容詞です。It's okay.と言えば、聞いた人は「まあまあ、許容範囲だったということかな?」と思ってしまいます。代わりに、It goes well.を使えば、まさに「うまくいっている」状況を表現できます。


報告時に活用頻度の高い表現

 ここからは、いくつか例文を紹介します。

状況を報告

  • Maybe I could give you a weekly progress report on Monday mornings. (進ちょく状況をご報告します。)

 「進ちょく状況報告」にもdaily, weekly, monthlyなどがあります。報告するおおよその日時とともに、種類も前もって伝えましょう。


  • We're 60 percent finished. (かなり進んでおります。)

 We've made a lot of progress.では非常にあいまい。「60%終了している」のように客観的な数字を用いた報告を。


上司にお願いする

  • This project requires a bigger budget for three reasons. (3月の予算をもっと頂けませんでしょうか。)

 Can we have a bigger budget? では子どもっぽい表現。また、予算を付けてもらうためには明確な理由が必要です。


  • We need three more workers, or to delay the deadline by five days. (人出が足りません。)

 We have a shortage of workers.「人手が足りません」では説明不足。「あと3人ほど必要です。もし無理なら、納期を5日延ばす必要があります」というように状況を説明し、もし無理であれば〜というオプションを付けるといいでしょう。


部下に報告する

  • Let me update you on what happened at Friday's meeting. (先日の会議で、このように決まったので全員把握しておくように。)

 You'll have to understand it.とすると、「だから(不本意でも)我慢しなければならない」と聞こえる可能性があります。「金曜日の会議で決まったことを報告しておきます」と言えばOK。


  • June's sales figures are here, and it's good news. (6月の売り上げの数字です。)

 It's good news.と一言付け加えると、満足してうれしい気持ちを表現できます。満足できない数字であれば、…… and it's not very good news.のように言います。


同僚に報告する

  • The project's going according to schedule. (うまくいっているよ。)

 Everything's going well.でもOKですが、具体的に「プロジェクトはスケジュール通り進んでいる」のように言えば相手は安心するでしょう。


  • Could you check this for grammar mistakes? (これなんだけどチェックしてくれないかな?)

 Could you check this? では何をチェックしてほしいのかがあいまいです。チェックしてほしい個所を具体的に示します。


問題点を指摘する

  • It looks great, but there's just one problem. (この個所に誤りがあるね。)

 This is wrong.では「全部が悪い」に聞こえます。It looks great, but ……で相手をねぎらって。


  • The client is waiting. How much longer will it take? (時間がかかりすぎだね。)

 It's taking too much time.では嫌みっぽく聞こえます。「顧客がお待ちかねだね。あとどれくらいかかりそう?」と相手に状況説明を求めましょう。



 次回は、トラブル対応時によく使われるフレーズを紹介します。

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