FX口座数は前年比2割増も、レバレッジ規制で取引高は横ばい

» 2012年08月31日 13時58分 公開
[Business Media 誠]

 矢野経済研究所は8月29日、「FX(外国為替証拠金取引)の動向調査結果」を発表。2012年3月期の市場規模(預かり証拠金残高)は前年同期比21.4%増の9116億3700円と、大きく拡大したことが分かった。リーマンショック後の急激な円高で2009年3月期には一時的に縮小したものの、その後は拡大を続けている。

 同研究所では2013年3月期の市場規模について、「M&Aや撤退企業があるとしても、大手有力企業での残高伸長が見られること」「レバレッジ規制によって投資家が投資資金の積み増しを行っていること」から、同14.9%増の1兆474億円と、1兆円の大台を突破すると予測している。

市場規模(預かり証拠金残高)推移(出典:矢野経済研究所)

 2012年3月期の口座数は、前年同期比21.2%増の372万3531口座。法人客(一般事業法人)の獲得、システムトレードの導入、取引最小単位の引き下げなどで、新たな投資家の呼び込みに注力したことが背景にあるという。

 しかし、2012年3月期の年間取引高は、前年同期比2.5%減の1795兆6541億円と2年連続で減少した。証拠金より大きな額を取引できるレバレッジが、2010年8月1日から50倍、2011年8月1日から25倍までに制限されたことが影響した。「ブランド力の強化、約定率の向上、投資家コストの低減に注力してきた企業では年間取引高が増加しているが、依然として多くの企業で年間取引高は減少傾向にある」(矢野経済研究所)

年間取引高推移(出典:矢野経済研究所)

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