マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。中小企業診断士。ブログ「cotoba」
海外で活躍する日本人といえば誰でしょう?
野球ならイチロー選手、ダルビッシュ選手、復活するか松井秀喜選手。サッカーなら欧州で活躍する長友選手や長谷部選手、今をときめく香川選手でしょうか。
「野球とサッカー、どちらもこの20年間で猛烈に働き方が変わった。野球ならメジャーリーグ、サッカーならEURO2012にブンデスリーガ、なでしこ。20年前には考えられなかったことですよね。ビジネスも同じです。日本の中で完結するのはラク。でもそれでいいの? そうじゃないと考えたパイオニアもいたんです」
こう話すのは、スポーツビジネスで独立をめざし、東北楽天ゴールデンイーグルスの立ち上げにも関わり、今は「年収1000万円以上の転職サイト」をキャッチフレーズに、新しい人材紹介ビジネスモデルを展開するビズリーチの代表取締役 南壮一郎さん。南さんは、黒い目の日本人ビジネスパーソンが、“正しい価値”で働くこと、そして“海外でリーダーになる道”をつくろうとしている。
「やりたいことが3つあります。まず、求職者に正しい選択肢を知ってもらう。当社は求職者からお金をもらっていますが、それは求職者を転職させるのではなく、たくさんのヘッドハンターや企業と会う機会をもってもらうためです」
南さんが2009年4月に立ち上げた「求職者課金型の転職サイト ビズリーチ」は「求職者がお金を支払う」会員制ビジネス。普通は転職が決まった際に求人側企業が人材会社に年収の30%相当を支払う。だが、ビズリーチでは求職者が会費を支払う(30日=4980円、90日間=1万2940円、180日=1万9880円)。
期間内に求人企業(2012年6月現在、650社)とヘッドハンター(同740人)、求人情報(同5800件)と自由に接触ができる選択自由な求職のプラットフォーム。求職者は年収750万円以上(審査あり)、求人情報も1000万円以上とプロに限定している。
「逆のお金の流れ」「自分の価値を知る」「大量の選択肢」ユニークなビジネスモデルにどうしていきついたのか?
「年棒の30%の成功報酬は異常に高い。米国では15%、アジアでは20%。求人広告だって米国ではせいぜい300ドル(約2万4000円)なのが日本では50万円。なぜそんなに高いの? それは企業に採用力がないからです」
経営者や人事採用担当者が採用力をもっていない。だから人材企業に頼るしかない。ところがグローバル企業はアンテナを張り、みずから取る力がある。だから拮抗して費用が安くなるという。
「2つ目が企業に採用力を取り戻すお手伝いをすること。そのために会員企業に求職者12万人分のデータベースをオープンにしています。企業はヘッドハンターと同じ立場に立てる。でもまだ使いこなせないので教育します」
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