実は山本沙代氏のような若手監督が育っていることを最初に世の中に知らしめたのはアニメ雑誌『アニメージュ』2008年11月号の「アラサー世代がアニメ界を動かす」という特集だった。これは当時30歳前後の新進若手監督たちが活躍している様子を伝えたもので、アニメ界で若手世代が順調に育っていることを最初に実証したものだった(山本沙代氏はリストに挙げられていなかったものの特集内のコラムに登場している)。
次表はその特集で挙げられていた監督が手がけていた作品のリストであるが、『DEATH NOTE』『空の境界「矛盾螺旋」』といった話題作も含まれており、当時から注目された存在であったことが分かる。
また、次表は特集以降の彼らの作品リストだが、1977年生まれの監督が30代中盤となっていることもあるせいか、今では日本のアニメ制作を支える存在となっていることが分かる。
若手監督は特集に取り上げられた彼らだけではない。雑誌が出てから4年が過ぎ、彼らと同年代の中から、さらにはもっと若い世代から多くの有望な人材が頭角を現し始めている。
次表は先ほど取り上げた監督を除いた1976年以降生まれの代表的な若手監督リストである。4年の間に同世代から多くの監督が生まれ、さらに若い世代においても確実に才能が育ちつつある様子がうかがえる。
その中でも特に目立つのは女性の進出である。これは1990年代中盤以降に巻き起こったアニメブームで、2000年代以降にアニメの存在が社会的に認知されるようになったことが大きいと思われる。某大手スタジオがアニメーターを募集したところ応募者の8割近くが女性で、実際に採用したのもほとんどが女性だったという。また、多くのスタジオで一般職や制作などの新卒募集に女性が応募してくるケースも増えているという。
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