有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。
筆者の友達であるウェブコンサルティング会社ペンシルの覚田義明社長が、こんな例え話を切り出した。
「100人来ても、99人が何も買わずに帰っていくコンビニってどんなところだと思う?」
コンビニに行ったら、たいがい何かを買う。何も買わずに出るのは、立ち読みとか、涼みに行くとか、トイレを借りるとか……100回に10回以下だろう。来店したお客さんのうち、たった1%しか買い物しないコンビニなんて最低である。もし、あるとしたら……きっとこんなコンビニだろう。
訪問者が100人いても、結局購入まで結びつくのは1人程度。これは要するに、ホームページ&ショッピングサイトの例え話であるわけです。サイトの購入率の平均は1%。そして悪いホームページ&ショッピングサイトだと0.2〜0.4%しかない。
売り上げの欲しい広告代理店やホームページ制作会社は、アクセスを増やして訪問者を2倍の200人にして売り上げを2倍にすることばかり提案する。だが、即時的に効果が出る施策を考える上で重要なのは、離脱していく99人が、なぜ98人にならなかったのかに目を向けていくことなのである。
例えば、上記のコンビニでいうところのレジ回りの話。打ち込みに失敗ばかりして、一向にお金を払うところまで行き着かないコンビニなんて一気に購入意欲が下がる。ネットショッピングで例えるならエントリーフォーム。ペンシルによると、エントリーフォームの書き込み必須項目を※印表示から赤字表示にしただけでエラー出現率は8.4%も改善したという。
アクセスを2倍に増やすための広報費を使うくらいなら、離脱した99%の訪問者を1%でも購入者へ転換させる手法に知恵とお金を注ぎ込んだ方が効率的なのは分かりきったことである。
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