アスキー総合研究所所長の遠藤諭氏が、コンテンツ消費とデジタルについてお届けします。本やディスクなど、中身とパッケージが不可分の時代と異なり、ネット時代にはコンテンツは物理的な重さを持たない「0(ゼロ)グラム」なのです。
本記事は、アスキー総合研究所の所長コラム「0(ゼロ)グラムへようこそ」に2012年4月20日に掲載されたコラムを、加筆修正したものです。遠藤氏の最新コラムはアスキー総合研究所で読むことができます。
前回、アスキー総合研究所の消費行動やメディア・コンテンツに関する1万人調査「MCS 2012」の集計結果をもとに、日本人のメディア利用が2011年に大きく変化したことを紹介した。「テレビの1日平均視聴時間」の大幅な減少、「PCからのネット利用時間」と「携帯電話利用率」の普及以来初めての減少、そして、「スマートフォン」と「タブレット」の利用率の増加などだ。
→「スマホの普及&テレビ離れで、戦後最大のメディアイス取りゲームが始まっている」
同時発生していることから「戦後最大のイス取りゲームが始まっている」と書いたが、前回の記事中の図では見えにくい2つのポイントについて触れておきたいと思う。1つは東日本大震災に関することで、もう1つはタブレットの市場についてである。
東日本大震災に際して、メディアの果たした役割はさまざまな形で報じられている。震災直後の連絡手段や情報収集、その後の被災地の支援に関係する情報、原発の是非に関する議論なと、新旧のメディアで多くの人たちが活躍された。そしてこうしたことは、震災が日本のメディア全体に対して影響を与えることでもあった。
Copyright© ASCII MEDIA WORKS. All rights reserved.
Special
PR注目記事ランキング