閑話休題。
先月末、拙宅のテレビを買い替えた。
11年間使用したパイオニアのプラズマテレビが修理不能なレベルまで画質が悪化したためだ。画質が落ち始めた昨年夏より、筆者は家電量販店に足しげく通い、価格動向と内外メーカーの製品を見比べてきた。
買い替えで購入したのは、韓国LGのLED液晶テレビ。国内メーカー数社の同グレードと比較した上でのことだ。
この旨をFacebookで記したところ、「なぜ日本製を買わないのか」とのコメントが寄せられた。コメントには、多分に批判めいたトーンが含まれていた。発言者は筆者のかつての同僚で、現在は古巣の要職に就いている人物。
そこで、かつての同僚に対し、本稿で触れてきたような内容を説明した次第。
筆者がなにを言いたいかと言えば、大手マスコミの経済報道に携わっている人物でさえ、このような認識を抱き続けていた。つまり、筆者はひどく落胆した次第であり、大手メディアのガラパゴス状態を痛感したのだ。
また別のコメントでは、某大手紙の若手記者からも同様の言葉が寄せられた。この若手は親御さんの代からのソニーびいきだ。
筆者が複数のテレビを最終候補にした際、もちろんソニー製も入っていた。この若手にはこの旨を報告した。
「ソニーはサムスンやシャープ、その他台湾メーカーのパネルを使っている。もはやかつてのソニーのイメージがない上に、“ブランド料”の分だけ値引きが悪かったから選ばなかった」
筆者は韓国メーカーをひいきしているわけではない。一消費者の立場として、品質や価格面で自分なりに調べた結果、LG製品を購入したまでだ。
この種の話を書くと、またぞろネット上で批判が集まりそうだが、読者の使っているPCやスマートフォン、その液晶パネルの主力メーカーはどこだろうか。日本勢が主軸にいないのは言うまでもない。
先に触れたように、日本の電機メーカーの凋落は著しい。だが、これは昨日今日に始まったことではないのだ。
〈韓国勢の追い上げ〉という的外れな見出しで読者をミスリードし続けてきた日本のメディアの怠慢があるといったら言い過ぎだろうか。
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