今、ガチャが熱い! 進化するソーシャルゲームの課金システム誠 Weekly Access Top10(2012年1月7日〜1月13日)

» 2012年01月20日 13時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 先週最も読まれた記事は「月間維持費1万円を実現せよ――『若者のクルマ離れ』を考える」。2位は「正社員の平均年収は449万円、たくさんもらっている業種は?」、3位は「チロルチョコが売り場から消えた……そのトホホな理由」だった。

 年末年始、Yahoo!ニュースでピックアップされたこともあって、話題になった記事が「カードバトルのソーシャルゲームが強い理由」。今週掲載した「ソーシャルゲーム市場急拡大、2011年度は8割増の2570億円に」にもあるように市場規模は大きく伸びているのだが、2大プラットフォームのうち現在、GREEがモバゲーをリードしていると言われるようになっている。

 モバゲーを運営するDeNAも2011年度第2四半期決算発表会で認めているのだが(参照リンク)、その要因の1つはGREEが先ほどの記事で挙げたような有力なカードバトルのソーシャルゲームを抱えていることにある。強いカードを手に入れようと何度も「ガチャ」(くじ引き)を引く人たちのおかげで、収益が上がっているのである。

 そんなガチャに今、大きな変化が訪れていることをご存じだろうか。従来は通常ガチャ、無料ガチャ、高級ガチャというように、せいぜい料金が異なるくらいの違いしかなかったのだが、それ以外の要素が加わっているのである。

 その先駆けとなったのが、昨年夏に『探検ドリランド』(GREE)が採用した「スーパー11連ガチャ」だろう。『探検ドリランド』のガチャは1回300円なのだが、3000円を払うと10回分の料金で11回引ける、お得!というものである。

 「そもそもデジタルデータに300円を払うこと自体ありえない!」という人もいるだろうが、利用者は結構いるようで今では定番ガチャとしての地位を占めている。スーパー11連ガチャを引いた時には特別な演出も見られ、ガチャ自体がゲームと化しているようにも感じられる。

 『釣り☆スタ』などのソーシャルゲームでアイテム課金をいち早く成功させたGREEだけあって、このあたりの仕掛けの工夫にはうならされることが多い。

探検ドリランドの恐るべき11連ガチャを回してみた!

 そして『探検ドリランド』がスーパー11連ガチャと同時期にリリースし、ソーシャルゲーム業界に衝撃(?)を与えたのが次画像の「コンプガチャ」である。

『探検ドリランド』のガチャ

 ガチャで指定されたカード8枚を引くと、特別なカードがもらえるという仕組みである。友人などとのトレードでそろえてもダメで、すべて自力で引かなければいけないという、なかなかシビアなシステム。

 うっかり指定カードを5枚くらい引いてしまうと、「せっかくだから」と全部そろうまでガチャを引き続けてしまいそうである。本当かどうかは分からないが、2ちゃんねるの『探検ドリランド』のスレでは、「数万円を使ってもそろわなかった」といった書き込みも散見された。

 ソーシャルゲームでは1つ革新的な仕組みが生まれると、ほかのゲームにもすぐに波及するという傾向がある。『探検ドリランド』の成功を見てか、人気ソーシャルゲームの『ドラゴンコレクション』(コナミ)や『アイドルマスター シンデレラガールズ』(バンダイナムコゲームス)も、年末年始にこの“高性能”なガチャシステムを導入していた。

『ドラゴンコレクション』が年始に導入したガチャ

 そして1月に入り、つい先日『ドラゴンコレクション』が投入した最新鋭のガチャが次画像の「本気出すガチャ」である。

『ドラゴンコレクション』の「本気出す」ガチャ

 これはガチャを引くと、一定の確率で「次に引いた時に良いカードが出る」と教えてくれるというもの。特定の絵柄を出すことで大当たりの出現率アップを示唆する、パチンコのリーチアクションそのものである。

 生まれて間もない業界ということで、日々新たな仕組みが登場してくるソーシャルゲーム業界。極度のケチである筆者は1回も有料ガチャを引いたことがないのだが、次にどんな試みが行われるか生温かく見守っているところである。

『探検ドリランド』はさまざまなガチャを試しており、ログイン回数に応じて内容が変わるガチャなども提供していた

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