A:そのほかに、何かすべきことはありますか?
岡村:リバランスをしてください。リバランスとは、バランスが崩れてしまったポートフォリオをもとの比率に戻すこと。なぜリバランスをするかというと、割高なものを売って、割安なものを買うことができるからです。
ここで注意が必要なのは、感情に流されないこと。「この投信、ものすごく上がっているから、さらに買っちゃえ」といった考えは禁物。
A:あ、それって前回も同じ話をされていましたね。「ちょっと得をしたらすぐに売ってしまう。逆に損したときにはズルズルと“塩漬け”にしてしまう。感情に任せて投資をすればこうした事態に陥るかもしれない」と。
岡村:その通りです。ここで下の図を見てください。
利回り5%を目指すポートフォリオで運用を始めたところ、1年後にはこのようになりました。国内株式が値下がりして20%→16%、先進国株式も値下がりして20%→18%、新興国債券が10%→8%。一方の先進国債券は値上がりして20%→22%、同じく新興国株式が30%→36%になりました。
ここでリバランスを行えばいいのです。値上がりした商品を売って、値下がりした商品を買い増し、もとの比率に戻す作業ですね。
A:そのままの比率にしておくのは、なぜいけないんですか?
岡村:そうすると、自分が思っていた目標とは違うポートフォリオを持つことになるからです。例えば、新興国株式が上昇し、ポートフォリオが50%になったとします。そうするとリスクが大きくなりますよね。もしリーマンショック級の危機が起これば、自分の資産を大きく減らすかもしれなません。
A:つまり……リバランスをしないと、必要以上にリスクをとってしまうということですか?
岡村:ですね。またリバランスをすれば、リターンが期待できます。なぜなら、安くなったものを買い増して、高くなったものを売れるから。
「新興国株式が上がってるので買い増そう。そして国内株式が値下がりしているので売ろう」という人は多い。こうした心理も分からないわけではありません。しかし何度も言いますが、感情に流されず、もとのポートフォリオに戻すことが大切ですね。
A:分かりました。でも……1年後に、岡村先生に会わないと忘れてしまいそうです(笑)。
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