先週最も読まれた記事は「不思議の国ニッポンが、好かれる理由」。2位は「知ってる? 韓国大使館への抗議で、やってはいけないこと」、3位は「ドイツ人が、日本に興味を抱くワケ」だった。
筆者が気になった記事は10位の「AKB48で売上36%アップ、カゴメ『野菜一日これ一本』のPR戦略」。野菜ジュースの分野ではカゴメの競合の伊藤園も「1日分の野菜」を出しており、名前もパッケージも何となく似ている。講演ではカゴメのキャンペーンの影響で「1日分の野菜」の売り上げも増えたのではないかとコメントしていたのだが、カゴメとしては「微差を強調するよりは、全体のパイを広げた方がいい」という方針であるそうだ。
よく似ている商品ということで最近話題になったのが、土産菓子「白い恋人」を製造販売する石屋製菓が、「面白い恋人」を製造販売する吉本興業などを商標権侵害で訴えたというもの。石屋製菓の島田俊平社長は「短期間で販売を終えると思ったが、東京でも売られ、見過ごせなくなった。悪乗りが過ぎ、全然面白くない」と会見で述べている。
吉本興業子会社の吉本倶楽部は大胆にも2010年8月に「面白い恋人」の商標登録出願をしているのだが、今年2月に却下されたという。特許資料図書館の商標出願・登録情報からデータを確認すると、たこ焼きでも商標権を取ろうとしているところにナニワ企業の商魂を感じさせる。
興味深いのは、商品やサービスの区分によっては、石屋製菓以外も「白い恋人」の商標権を持っていること。日立アプライアンスが洗濯機など、森永乳業がコーヒーや清涼飲料など、ネッフルがセーター類などで、「白い恋人」の商標権を持っている。
「面白い恋人」のように「白い恋人」をパク……ではなく偶然にもよく似た名前としては、秋山食品などが「赤い恋人」、小森梅選堂などが「青い恋人」、あさひかわ農業協同組合などが「黒い恋人」の商標権を持っている。「黒い恋人」などは早く別れるべきではないかと思ったりもするのだが、商品が売れているのかどうか気になるところである。
ややこしいのは、「白い恋人達」の商標権は石屋製菓が持っているのだが(1984年認定なので桑田佳祐氏の同名曲リリースより早い)、「白い恋人たち」となるとタカノや沖縄食糧が持っていること。なかなかめんどくさい感じだ。
そして最後に、うっかり次の言葉が2011年5月に商標登録出願されていることを発見してしまった。区分を「菓子及びパン」としていることからして、「白い恋人」を意識しているようにも思うのだが……認められるかどうか注目されるところである。
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