なぜ格差が生まれるのか? できる社員とできない社員新連載・悩むビジネスパーソンへの“処方せん”(1/4 ページ)

» 2011年08月31日 08時01分 公開
[関厳,Business Media 誠]

悩むビジネスパーソンへの“処方せん”

 多くのビジネスパーソンは、経営学を学んでいません。そのため、「経営」「制度」「体質」など、自社でまかりとおっている“普通”が本当に一般的かどうか判断しにくいもの。そんな企業の側面を、コンサルタントという第三者の目線から解説、問題点には処方せんをつけて提示します。


 「格差社会」というキーワードが近年よく使われるが、これは会社内でも例外ではなく、「できる社員」と「できない社員」の格差は多くの企業に存在する。

 特に注目したいのが、入社時はほとんど差がなかったのに、5年、10年と経ったら役職や任せられる仕事に大きな差がついている、というケースだろう。元来持っている能力差が大きいのであれば格差が生まれることも理解できるが、元々は同程度の能力だった人たちの間に大きな差がついていくのはなぜだろうか? 今回はこの「できる社員とできない社員の格差はどのように広がっていくのか」についてお伝えしていきたい。

プロスポーツ選手はどのように作られていくのか

 プロスポーツという実力社会で起きていることは、ビジネスの世界でも参考になることが多い。ここではまず下記のデータを紹介しよう。

 プロ野球選手を生まれた月で分けて比べると、「4〜9月生まれ」が「10月〜3月生まれ」に比べて圧倒的に多くなっている。さらに詳細に見ていくと4月頃は比率が高く、徐々にその比率は減少していくことが分かる(サッカーのJリーグやバレーボールでも同じ傾向が出ることが証明されている)。

 小学生くらいまでなら「カラダの発育に差があるから4〜9月生まれは有利である」といった理由が思い浮かぶが、20歳を超えるようなプロ選手でこの差が発生するのはなぜだろうか?

 4〜9月生まれの人は「(小さいころは)カラダの発育面で有利」→「試合に出る機会が増える」→「練習により熱心に取り組む・試合経験が蓄積される」→「ますます差が広がる」という好サイクルに乗るからというのが大きな理由である。

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