入社し、始めの3年間にするべき4つのこと吉田典史の時事日想(1/3 ページ)

» 2011年08月19日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」、Twitterアカウント:@katigumi


 会社員が新卒として入社し、始めの3年間に何をなすべきか――。今回は、これをテーマに私の考えを述べたい。私が取材などを通してこの20年間で見てきた会社員で、30代半ば以降、昇格という面である程度、成功している人に共通している次の4点をベースに書いていく。

1.就職活動の振り返り

2.会社のからくりをある程度、心得る

3.上司や周囲、取引先などから評価される「型」を覚える

4.勝ちパターンを少しでも体得する

就職活動の振り返り

 1の「就職活動の振り返り」であるが、新卒時の私のように意識して行う人もいるが、さほど意識することなく、就職活動のころを思い起こす人もいる。ここでは、意識して振り返る人を対象にする。

 なお、「反省」ではなく、あくまで「振り返り」であることに注意をしたい。採用試験は新卒であれ中途であれ、相対的に決まる。そこでは合否において誰もが納得する、客観的な基準は存在しない。必ず、あいまいさが残る。そんな試験に反省などいらない。

 「振り返り」とは、エントリーした、あるいはしようとした会社などを思い起こし、それらの理由を記録し、3年間に何度か読み直してみることを意味する。理由が特に大切である。

 3年以内にそのメモを読み直す人は100人いたら、80人以上になるだろう。私が専門学校で教える受講生の8〜9割も、そのメモを読み直すという。始めの3年間で「こんな会社に入って良かったのだろうか」と迷う人は多いのだ。そこで上司から厳しく言われると、衝動的に辞めてしまう場合がある。そして、自分の市場価値を下げていく。これでは、競争社会で敗北に終わる。

 このメモをもとに「自分の原点」を考えることで、できるだけ早く自己像を作ってほしい。「私はこういう仕事をしていきたかった」とか「内定は取れなかったが、こんな理由であの会社を受験した」という具合に思い起こすのだ。これを繰り返していくと、次第に仕事への姿勢や考え方などが定まってくる。この時期、迷いが生じる理由の1つは、このような自己像がないからではないだろうか。就職活動で貴重な経験をしたのだから、それを忘れ去るのはあまりにもったいない。

 会社を変わる時に職務経歴書などを書くことが求められるが、このメモはきっと生きてくる。経験論で言えば、新卒時に「これをしていきたい」と強く思った仕事は、その後、20年くらいは何らかの形で尾を引きずるものだ。

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