宋文洲(そう・ぶんしゅう)
1985年に留学で来日し、92年にソフトブレーンを創業。2005年に東証1部上場を果たし成人後に来日した外国人初のケースとなる。2006年にソフトブレーンの取締役を辞任し、現在は株式会社日本エル・シー・エーの特別顧問。コンサルタントや評論家として北京と東京を行き来している。
著書『ここが変だよ日本の管理職』(東洋経済新報社)、『やっぱり変だよ日本の営業』(日経BP企画)『人材いらずの営業戦略』(共著、日本実業出版社)など多数。
権田和士(ごんだ・かずひと)
早稲田大学卒業後、日本エル・シー・エーに入社。現在は同社で執行役員。住宅業界向けコンサルティングで、日本最大規模の実績を誇る住宅不動産事業部の事業部長を務め、これまで50社以上の支援を行う。工務店新聞などの専門紙で執筆しているほか、Business Media 誠でも「あなたはどうする? 住まいの選び方」を連載している。
「住宅の営業マンって、いらないのでは」といった不要論が、業界内部だけでなく、消費者からもささやかれている。その背景にはインターネットの普及などにより、営業マンと消費者の間の“知識差”がなくなってきたからだ。住宅業界が抱える問題について、ソフトブレーンを創業し、現在はコンサルタントとして活躍している宋文洲氏とBusiness Media 誠で「あなたはどうする? 住まいの選び方」を連載している権田和士氏に語り合ってもらった。
権田:現在の住宅・不動産業界で起きていることに関して、簡単に説明させていただきますと、インターネットの影響でお客様が住宅に関する知識を簡単に手にいられるようになってきました。今までは住宅営業マンと消費者との間に大きな知識の差があったのですが、消費者がインターネットで勉強することで徐々に差が埋まってきました。実際にインターネットだけでの住宅購入も増えています。住宅営業マンの不要論も出てくる中、これからの住宅営業マンのあり方について、宋さんはどのように見ていますか?
宋:大手の営業マンだと資格を持っていて専門知識が深い人もいますが、そうでない専門知識の浅い営業マンもたくさんいると思います。そのような営業マンはいなくてもいいのではないですか。設計や現場監督位の知識や技術力があればお客様にとって価値があると思いますが、専門知識がない人はお客様に必要とされなくなるでしょう。
権田:確かに設計か現場監督といった技術職上がりで、成績が高い営業マンも増えてきています。専門知識がなければ営業マンは必要とされなくなる可能性もある。ただ、そうは言っても実際には住宅業界は圧倒的に営業マンが多い業界でもあるんです。
宋:それが変ですよ。お客様に商品知識がなくて営業が説明する必要があるなら営業マンは必要ですけど、今はそんなことはないでしょう? 深い知識はインターネットで調べられるんだから。それだったら営業マンを減らして、企業は販管費を削った方がいいですよ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング