4月22日午前0時、東京電力の福島第一原子力発電所の事故を受け、同原発から20キロ圏内が警戒区域に設定され、立入禁止となった(それまでは「避難指示区域」)。私は「立入禁止」になる前の4月18日、20キロ圏内に入った。
4月18日午後3時半過ぎ、福島県南相馬市小高の国道6号線の「20キロ圏内 立ち入り禁止」の看板がある地点で、警視庁の警察官に止められた。電光掲示板には「通行止」と表示されていた。
圏内に入るのは3回目になる。以前は警察官が立っていなかったが、最近では応援が入っているのだろう、警察官が立っている。
「どちらに行かれますか?」「取材です」「いいとは言えないのですが、自己責任でお願いします」などとやりとりをした。目的は取材と言えば、「自己責任」ということで通行が可能になっている。「地元の人だ」と名乗ってもいいのかもしれないが、身分証明書の提出を求められる。そこまでされたのは初めてだ。警視庁の警察官いわく、「何かあったら、こちらも助けなきゃいけないんで、念のため」とのことだった。
20キロ圏内に入ると、地震や津波の被害が全く手つかずで放置されていることを再確認する。まず目指したのは、エム牧場の浪江農場だ。数週間前にこの牧場で牧場主に話を聞いたが(参照記事)、この日は不在だった。ここでは350頭の和牛を飼育している。
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