好調な決算に商品相場の上昇を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年04月21日 08時35分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9606.82△165.79

<TOPIX>837.17△9.61

<NYダウ>12453.54△186.79

<NASDAQ>2802.51△57.54

<NY為替>82.55▼0.02

予想を上回る住宅指標、好調な決算に商品相場の上昇を受けて大幅高

 前日の引け後のハイテク銘柄の決算が予想を上回ったことや朝方発表された中古住宅販売が予想を上回って改善が見られたことなどから、買い先行となりました。欧州金融不安も薄れてユーロが上昇、原油や金の先物価格も堅調となったことで信用収縮懸念も薄れ、ほぼ全面高となりました。ハイテク銘柄だけではなく、金融緩和や財政政策の効果で好調な決算を発表する銘柄が多く、QE2(量的緩和)終了後も順調に景気回復が見込まれると言う雰囲気になりつつあるようです。

 この日の引け後に発表されたアップルの決算も予想を上回るなど、金融株などではなく、製造業などで好調な決算が見られることが景気回復をしっかりと裏付けるものとしてセンチメントもかなり上向いています。QE2の後が気になるところではあるのですが、企業業績が回復、上向いていることが確認されつつあり、最後まで回復が懸念されていた住宅指標も好転していることで、さらに景気回復から景気拡大への期待が強まっているのだと思います。

 個別には前日の引け後に予想を上回る決算を発表したインテルやヤフーが買われて大幅高、連れてアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やアプライド・マテリアルズ(AMAT)などハイテク銘柄が総じて高く、アップルは通常取引で堅調となった後、引け後に予想を上回る決算を発表、時間外取引で一段高となっています。朝方発表された決算が予想を上回り業績見通しを引き上げたユナイテッド・テクノロジーズも大幅高、増収増益を発表したAT&Tも堅調となりました。金や原油の先物が堅調、商品相場が総じて高かったことで、パブリック・ゴールドなどの金鉱株、エクソン・モービルなど石油株、アルコアなどの素材株も総じて堅調となりました。欧州金融不安は薄れたものの金融株は冴えないものが多く、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や円安を好感して買われ大幅高となりました。米インテルが米国市場の引け後に好調な決算を発表したことで、半導体関連銘柄などが買われ指数を押し上げました。売買高は今一つ盛り上がらないのですが、前日の下げ分を取り戻すような大幅反発となりました。外国人は株数は買い越し、金額は売り越しで大きな影響はなく、業績の修正などには敏感に反応していたものと思われます。

 米国株が大幅高、ユーロが一段高となったことから買い先行となりそうです。原油や金などの商品相場も堅調で信用収縮懸念も薄らぎ、日本市場にも資金流入が期待されます。復興需要に対する期待も強まり、またここへきてLED(発光ダイオード)照明なども取り沙汰されることが多くなり、「省エネ」関連などを中心に買われるのだと思います。ただ、日本市場では米インテルの決算を好感した上昇は昨日の大幅高で織り込んでいるものと思われますが、米国市場の引け後に発表されたアップルの決算が予想を上回ったことから、スマートフォン(高機能携帯電話)や蓄電池関連も含めたハイテク銘柄などを中心に堅調な展開となりそうです。

 9500円〜600円水準での底堅さを確認して今度は上値を試す動きとなりそうです。一目均衡表で「雲」のねじれの日柄、遅行線が日々線の大震災後の安値と日柄が一致するところであり、ここで上に抜けてくれば、底入れ感がかなり強まるものと思います。まだ原子力発電所事故が解決しないことには上値も限定されるのでしょうが、底堅さは確認できたものと思われます。9500円〜600円水準を下値、9800円〜900円水準が上値と言う範囲での動きが確認されそうです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.