節電が生んだ企業のスキマ誠 Weekly Access Top10(2011年3月5日〜3月11日)

» 2011年03月18日 11時30分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 3月11日に東北を中心に襲った大震災。そして、それは地震だけにとどまらず、津波、原発事故と副次的な災害も引き起こし、1週間が経った今も日本を悩ませている。

 本震は宮城県栗原市で震度7を記録したのだが、アイティメディアがある東京都千代田区大手町の震度は5強。2009年に竣工したビルに入居しているとあって耐震構造がしっかりしていたため、被害はそれほどなかった。しかし、筆者が自宅のマンションに戻ると、部屋が荒れ放題になっていて呆然としたことを覚えている。

 しかも荒れていただけではなく、液晶テレビが床に落ち、画面が割れてしまっていた。おかげでテレビ番組が見られなくなったのだが、ニコニコ動画やUstreamで各放送局の地震特番が流されていたので非常に助かった。テレビ局側に対し「ネットしかつながらない被災地の人でも見られるように」とお願いがあったことから、ネット配信が許可されたようだが、大きな被災地ではないがテレビが見られなくなったという筆者のような人間にもありがたい配慮であった。

 もちろん、すべてを失った被災者の方に比べると、被害が液晶テレビだけで済んだ筆者は大分マシだろう。また、株式市場では地震の影響で多くの銘柄が暴落、特に東京電力の株は3日連続でストップ安となった。地震前日(3月10日)の終値が2153円に対して、3月17日の終値は798円と62.9%安。配当が高めで業績が安定した企業ということから、高齢者に人気のある銘柄なので、ある意味、被災者は日本全国にいると言えるのかもしれない。

画面が割れた筆者の液晶テレビ。天災なので保証は効かないらしい

計画停電でセキュリティリスクが

 地震の影響の中でも、関東地方の多くの人に不安を与えているのが計画停電だろう。福島原発が停止していることによる電力不足のため、東京電力が地域を限定して送電を停止しているのだ。

 こうした状況下、できるだけ停電をしないで済むように、各企業が節電を心がけている。鉄道各社が間引き運転を行っているほか、証券会社も夜間取引を停止、アイティメディアでも廊下の電気を消すといった節電を行っている。

 そんな中、筆者が気になったことがある。それは、あるIT系企業に行った時のこと。セキュリティ対策で通常はカードキーをかざさないと開かないドアのロックが外されていて、ゴミ箱のようなものでドアが押さえられていたのだ。

 社員の方に「こっそり簡単に入れちゃいますよね?」と尋ねると、「ははは、そうですね」と返されてしまった。電気を節約するための、ほめられるべき取り組みとはいえ、セキュリティ的には良くないことは間違いない。ただ、真面目に社会に貢献しようとしている企業ほど、そういうリスクを背負うことになっているのはどうなのかなあと思った一幕であった。

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