平成の二・二六事件!? sengoku38氏が語る「尖閣ビデオ」事件の真相(1/4 ページ)

» 2011年02月15日 10時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]
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 2010年9月7日に尖閣諸島沖で発生した、海上保安庁の巡視船と中国漁船との衝突事件。海上保安庁は同漁船の船長を公務執行妨害で逮捕、那覇地検石垣支部に送検したものの、那覇地検は「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」と処分保留を決定、中国に送還した。

 海上保安庁はその衝突の様子をビデオで撮影していたものの、政府は中国への配慮から映像の全面公開には踏み切らずにいた。そんな中、11月4日夜にYouTubeにアップされたのが、衝突事件の概要を示した動画である。「sengoku38」というIDによって投稿された動画では、中国漁船とみられる船が海上保安庁の巡視船とみられる船に衝突する模様が映されていた。

 機密とされていたこの動画をYouTubeにアップしたのは、当時、神戸海上保安部の現役保安官だった一色正春氏。この件で、警視庁は2010年12月、一色氏を国家公務員法の守秘義務違反容疑で書類送検。だが、東京地検は1月、入手経緯や流出目的が悪質でないことや、一色氏が停職12カ月の懲戒処分を受けて退職したことを踏まえ起訴猶予とした。

 一色氏の行動には「本来、公開すべき情報を明るみにした」と賞賛する声がある一方、「機密を守らなかったことは、公務員のあり方から逸脱している」と非難する声もある。

 一色氏はどのような思いから映像の公開に踏み切ったのだろうか。手記『何かのために sengoku38の告白』を出版するにあたり、2月14日に日本外国特派員協会で行った会見の模様をお伝えする。

「sengoku38」こと一色正春氏
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