ブログ検索で調べてみると、今年の流行語大賞は「〜なう」誠 Weekly Access Top10(2010年11月20日〜11月26日)

» 2010年11月30日 11時44分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 先週最も読まれた記事は「不思議の国ニッポンが、好かれる理由」。2位は「20代の若者が、“心のキレイ”な人を食い物にしている」、3位は「日本が衰退していく、3つの理由」だった。

真の流行語大賞をブログ検索で調べてみた

 11月12日に発表された2010年の流行語大賞ノミネート候補60語。政治やスポーツなど、さまざまな場面で話題になった言葉が選ばれた。バンクーバーオリンピックや猛暑、サッカー南アフリカW杯に関連する言葉を見て、「そんなこともあったなあ」と懐かしくなった人もいるだろう。もう少し発表が後になっていたなら、「sengoku38」や「イカ娘」なども候補に入ったかもしれない。

 ただ、ノミネート候補をよく見ると、「本当に流行ったのかなあ」という言葉もいくつか目に付く。「断捨離」や「バイクコンシャスライフ」などは、筆者にとって初めて耳にする言葉であった。価値観が多様化している時代なので、国民すべてに浸透している言葉というものも生まれにくくなっているのもしれない。

 ノミネート候補60語の中から、藤本義一さんを委員長とする審査委員会によって大賞やトップテンが選出され、12月1日に発表されるのだが、人が絡んでしまうと思い入れやしがらみなどがあって、妥当な言葉が選ばれないことはよくあるもの。そこで、Yahoo!のブログ検索を利用して、本当に流行した言葉は何なのかをフェアに調べてみることにした(ネットの声に偏ってしまうことはあるが……)。

 ノミネート候補が発表された11月12日の前の1年間、つまり2009年11月12日〜2010年11月11日のブログでどのくらい言及されたかを調べれば、口コミの広がりが調べられるというわけである。そして、さらにその前の1年間(2008年11月12日〜2009年11月11日)も調べれば、今年のヒット具合が推し量れるはずである。次の表が調べた結果だ。

Yahoo!のブログ検索結果

順位 流行語大賞候補 検索結果(2010年度) 検索結果(2009年度) 2009年対比倍率
1 〜なう 152262 15161 10.0
2 3D 101363 53136 1.9
3 iPad 79615 3273 24.3
4 AKB48 42419 14994 2.8
5 もってる 37145 9384 4.0
6 パワースポット 24370 6034 4.0
7 ゲゲゲの〜 20435 5921 3.5
8 はやぶさ 18056 8259 2.2
9 酷暑 14820 1541 9.6
10 フェニックス 14417 13302 1.1
11 食べるラー油 13784 104 132.5
12 女子会 13206 2255 5.9
13 東京スカイツリー 12783 1675 7.6
14 リア充 12331 6363 1.9
15 検察審査会 12108 1174 10.3
16 K-POP 10703 2875 3.7
17 生物多様性 10196 3048 3.3
18 ガラパゴス(ガラケー) 6617 3056 2.2
19 (W杯)ベスト16 5677 2320 2.4
20 ホメオパシー 4728 2359 2.0
21 ブブゼラ 4638 182 25.5
22 ルーピー 4353 194 22.4
23 断捨離 3957 141 28.1
24 イクメン 3123 496 6.3
25 どや顔 3107 610 5.1
26 ダダ漏れ 3093 1508 2.1
27 脱小沢/親小沢/反小沢 2988 53 56.4
28 山ガール 2922 55 53.1
29 見える化(可視化) 2805 2759 1.0
30 モテキ 2739 478 5.7
31 剛腕 2398 972 2.5
32 アジェンダ 2079 1224 1.7
33 もしドラ 1937 124 15.6
34 パウル君 1932 57 33.9
35 無縁社会 1128 16 70.5
36 イラ菅/ダメ菅/○○菅 1099 59 18.6
37 一兵卒 1060 281 3.8
38 ネトゲ廃人 866 813 1.1
39 最小不幸社会 828 10 82.8
40 クロスカップリング 810 5 162.0
41 本田△(ほんださんかっけー) 785 204 3.8
42 壊し屋 778 738 1.1
43 ととのいました 724 52 13.9
44 ……ぜよ! 497 508 1.0
45 ゴルコン 414 458 0.9
46 終活 289 421 0.7
47 買い物難民 283 73 3.9
48 生きもの会議 215 0
49 2位じゃダメなんですか 142 0
50 岡ちゃん、ごめんね 74 0
51 名ばかり高齢者 71 12 5.9
52 いい質問ですねえ! 38 7 5.4
53 33人の奇跡 34 0
54 なんで一段一段なんだろう 23 0
55 家庭内野党 20 0
56 バイクコンシャスライフ 20 28 0.7
57 待機老人 12 5 2.4
58 年金パラサイト 12 2 6.0
59 白戸次郎もよろしく 5 0
60 国技を潰す気か 3 0

 1位「〜なう」、2位「3D」、3位「iPad」という順位は、それなりに妥当な結果のように思うのだがいかがだろうか?

 「なう」で検索すると「損なう」なども検索されてしまうため、「今、ここにいる(これをやっている)」を意味する「なう」以外のものもヒットしてしまうのだが、2009年度の検索結果より10倍以上増えているところを見ると、流行していることは間違いないと言えるだろう。

 一方、「ネトゲ廃人」「ゴルコン」などの検索結果数は、昨年とほぼ変わらない数字。今年の流行語とはちょっと言いがたいかもしれない。

 大賞の行方と同時に筆者が気になっているのは、大賞の受賞者として誰が選ばれるかということ。2007年大賞の「どげんかせんといかん」は宮崎県知事の東国原英夫氏、2008年大賞の「アラフォー」は天海祐希氏、2009年大賞の「政権交代」は鳩山由紀夫氏と妥当な人選が続いたのだが、「〜なう」「3D」「iPad」は誰を呼んでも異議が出そうだ。そんなことも含めて、12月1日の発表を楽しみに待ちたいところである。

 ちなみに、Business Media 誠編集部でも「誠トレンド格付」として、今年流行したものを読者投票で決定する試みを実施中。投票していただいた方には、自動掃除機「ルンバ525」やシャープ製加湿空気清浄機「KC-Z45」、「ScanSnap S1100」などが当たるので、ご協力いただければありがたいです!

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