Twitterにありがちな、“有り難くも困ること”誠 Weekly Access Top10(2010年11月6日〜11月12日)

» 2010年11月18日 11時30分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 先週もっとも読まれた記事は、「商売になりませんよ。「借りたカネは返せない」と開き直るんですから」。2位は「元フリーターに聞く、正社員になって給与は増えましたか」、3位は「イマドキ独身女子の、恋愛事情に迫る」となりました。

 1位の記事は、今年の6月から全面施行された改正貸金業法によって、消費者金融会社がとどめを刺された……という内容。

 改正貸金業法については誠でも2009年から何回か取り上げていますが、残念ながら事態は去年の記事で予想されていた通りに進行しているといえそうです(参考記事:「あなたはお金を借りられますか? “借金難民”が溢れる日」「“カネを返せ!”というのは誰か? 窮地に追い込まれる消費者金融」)。記事の最後にある「一体、何のための法改正だったんでしょうか」というコメントに、全面的に私も同意です。法改正で利益を得たのは、電車に乗ると必ず広告を見かける多重債務者向けの弁護士事務所くらい、ということなのでしょうか。

Twitterで、ありがたくも困る体験

 2010年も気がつけばあと6週間で終わり。この時期になるといつも「今年、何が流行ったっけ?」なんてことを考え始めるんですが、「これは外せないだろうな」と思うものの1つがTwitter

 誠編集部では「@bizmakoto」、誠 Biz.ID編集部では「@bizid」というアカウントを運用しており、新着記事や記者のコメントをTwitterで流したり、発表会など取材の様子を実況中継したりしています。このほか記者個人のアカウントを公開している例もあり、誠Styleの担当編集は「@19740419」というアカウントを使って、ひと言コメント+誠Styleの新着記事紹介を公開中。ぜひぜひ、フォローをお願いいたします。

 私も今年の4月に「@YoshiokaAyano」というアカウントを作り、真面目に運用してみることにしました。しかしフォロワー数はなかなか伸びず、「『真面目に……』と思っている割には、しょうもないつぶやきが多いのが悪いのかなあ。まあでも、そもそも世間のいろんな編集長に比べると知名度がないし、仕方ないか」などと思っていたのでした。

 しかし、ある1つのTweetをきっかけに、フォロワー数が急増したのです。それがこれ。

「なぜHMV渋谷店は閉店し、なぜタワレコは生き残れたのか。すごくいいエントリなのでぜひ読んでみてください。音楽だけじゃない、本も同じじゃないのかな」2010年9月28日のTweet

 wonderground music主宰、加藤孝朗(@wonderground_TK)さんが書いた、「HMV渋谷閉店にまつわる僕の見解」(参照リンク)というブログエントリがとても良かったのでTwitterで紹介したのです。加藤さんは音楽の世界のプロ。HMVとタワーレコードについての分析が非常に鋭く、ここで語られる「店」を書店に、「CD」を本に置き換えれば出版業界も同じではないか……という思いから、ほとんど反射的に流したTweetでした。

 このTweetへの反応はすごかったです。公式・非公式合わせてリツイートしてくれた人は800人以上。時間別のリツイートランキングにも入っていたので、かなりの人数のTwitterユーザーがこのTweetを目にしたと思われます。これがきっかけでフォローしてくれた人は、3日で309人。特にTweetを流した28日には、1日で160人もフォロワーが増えるという事態が起こり、ただただびっくりしていました。

 フォロワーが増えたことはうれしかったものの、2つ誤算がありました。1つは「いいブログを書いたのは加藤さんなのに、私のフォロワーが増えるのは何か間違ってない?」というもの。いや、うれしいんですけど、なんというか申し訳なくて……加藤さんのアカウント@wonderground_TKのフォロワー数があまり増えている気配がないため、とても気になっていました。

 もう1つは、ブログを書いたのが私だと勘違いしている方が少なからずいたことです。「すごくいいエントリなのでぜひ読んでみてください」という書き方で、ほかの人が書いた文を紹介していることは分かるだろうと思ったのに、私あてにどんどん感想が送られてくるのです。最初のうちこそ「私が書いた文章じゃないですよ」と返事していたのですが、何度も同じことを書くのがつらくてすぐにギブアップ。

 Twitterって、ある1つのTweetが爆発的ともいえる広がり方をすることがあって、そうなると前後のTweetは読んでもらえないんですよね。フォロワーが増えたのはいいけど、これでいいのだろうか……と考えさせられた一件でした。

 なおその後、加藤さんはHMV閉店にまつわる考察に対してのコメントに対する僕の意見」と題して、例のブログに対するコメントへの意見、返事をまとめています(その2その3)。もともとのブログエントリを面白いと思った方は、ぜひ合わせてお読みください。

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