電動自転車は普及するのか松田雅央の時事日想(1/4 ページ)

» 2010年09月14日 08時00分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

著者プロフィール:松田雅央(まつだまさひろ)

ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ


 先週に引き続き、9月1日から4日までフリードリッヒスハーフェンで開催された欧州最大級の国際自転車メッセ『ユーロ・バイク(Euro Bike) 2010』 をレポートする。

 前回取り上げたのは自転車の本場欧州で健闘する自転車総合メーカー・シマノ(関連記事)。大阪創業のメーカーが欧州のみならず世界で圧倒的なシェアを獲得した秘密は「トップクオリティー」と「エンドユーザーのニーズ吸い上げ」にあった。また同社はE-バイク(電動自転車)を今後の戦略の柱としており、その開発に他社もしのぎを削っている。

 今回の時事日想はドイツの老舗ヘラクレス(HERCULES)のマーケティング・マネージャー、フォイファー氏へのインタビューからE-バイクの将来性をうらなってみたい。

 →自転車には欠かせない「シマノ」、その実力に迫った

展示ホール
プロによる自転車アクロバット

120年以上も会社が存続できた秘密

筆者:個人的な話ですが、わたしはドイツに来て5年ほどヘラクレス社製の赤い自転車を使っていました。それは古い自転車で、ここに並ぶ最新モデルとはだいぶ違います。

フォイファー:当社は1886年創業の長い歴史を持っています。現在はAccellグループ(自転車とフィットネス)の傘下にあり、本社はバイエルン州です。(壁に描かれた大きなロゴを見ながら)当社のモットーは「トラディッション(伝統)」「クオリティー(品質)」「イノベーション(技術革新)」です。

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