はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん(Twitter:@InsideCHIKIRIN)。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。
※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年11月29日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。
ちきりんはITは詳しくありませんが、1人の消費者・ユーザーとしてそれなりにWebサービスを利用しています。そんな中、どうしても好きになれない機能があります。それは“カスタマイズ”“パーソナライズ”という機能です。
分かりやすいのは、Amazon.comなどの“よくできた”ショッピングサイトですね。以前の購入履歴を保存していて、「この作品を買った人は、これも買っています」という情報が個別に提示されます。
自分向けにアレンジされていることが分かりにくい場合もあります。何らかの履歴を元に表示する広告を変えていて、同じサイトなのに、女性には「和食器」の広告が、車好きな男性には「スポーツカー」の広告が表示されるなどです。他人が見ている画面は分からないので、カスタマイズされていることに気が付きにくいパターンです。
ちきりんがこういった機能が好きでない理由の1つは、技術も情報も中途半端で目的が達成できていないからです。Amazon.comによると、私は「韓国ドラマが好きな共産党シンパ」というプロフィルらしく、やたらと韓国ドラマのDVDと左翼系の本を勧めてきます。
現実のちきりんはそんなことは(多分)ないのですが、こんな偏りが発生してしまうのは、彼らが私が買う本の一部しか把握していないからです。例えば、ビジネス書はオフィス近くの書店で買うことが多いし、小説など娯楽系の本はお気に入りの本屋で実物を見ながら買っているのですが、そういう情報はAmazon.comには入りません。
楽天もプリンを1回お取り寄せすると、ほかにも欲しいものがあるはずなのに、プリンやケーキの広告ばかり送ってきます。旅行サイトも一度出張で使うと、そのグレードの宿情報ばかり教えてくれますが、誰でも出張、家族や恋人との旅行など、旅行のタイプや同行者によって違うタイプの宿を使いますよね。それを理解しない広告やメールばかりが届くと、パーソナライズされているはずなのに「何だか画一的なお勧めばかり」と感じさせる皮肉な結果となっています。
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