今日からできる、CO2排出削減33の知恵松田雅央の時事日想(1/3 ページ)

» 2010年04月27日 11時21分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

著者プロフィール:松田雅央(まつだまさひろ)

ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ


 ドイツの自治体はほぼ例外なくCO2排出削減を唱えているが、市民の環境意識を刺激し、そこから大きな流れを生むのは難しいものだ。CO2排出削減の効果は具体的に見えないから、市民のモチベーションはなかなか上がりにくい。

 そんな中、筆者の住むカールスルーエ市の環境局は市民が楽しみながらCO2削減に取り組める仕掛けを用意しており、インターネット、イベント、小冊子などを通して「Ich mach Klima!(私は気候します!)」というキャンペーンを実施している。

 今回の時事日想は、その中から「今日からできる、CO2排出削減33の知恵」を紹介したい。

日常生活に関する6項目

 33の知恵は「暖房・給湯」「節電」「リサイクル」「交通」「食」「その他」の計6項目からなる。

1番目の項目「給湯・暖房」の最初の知恵は「暖房を絞る」

 「賢く暖房すればCO2を大きく削減でき、家計の助けにもなります。10月から3月まで室温を1度低くするだけで暖房エネルギー消費量は6%も減少します。居間の温度は20度、ほかの部屋はもう少し低くても大丈夫でしょう」

さらに「気候博士」の豆知識も付記している

 「住居面積80平方メートルの古い家で室温を1度下げると、年間1500キロワットの節約となり340キログラムものCO2を削減できます。暖房費用に換算すると約100ユーロの節約です」

 環境啓蒙というと、一般には「良心への訴え」をイメージするが、市民を動かす最大のモチベーションは「具体的な利益」である。アメをちらつかせながら市民の関心を高める「したたかな手法」にもドイツは長けている。

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