我孫子駅の立ち食い蕎麦屋「弥生軒」はかつて駅弁も販売しており、故山下清画伯が働いていたことで知られている。大きな唐揚げが入った蕎麦が有名だ。腹を満たして元気になろうと思ったけれど、混んでいるのであきらめた。やっとホーム上の売店があって、ミントキャンディとガムを購入。もっとも、ショックで眠気は覚めている。
常磐線の電車で水戸方面へ。130円のきっぷで、東京からさらに遠ざかる。友部までの乗車時間は約1時間半。夕映えの空の下、巨大なカップヌードルが見えた。日清食品の工場である。ああ、何か温かいものを食べたい……。そんな想いとはまったく関係なく、普通列車は佐貫で長時間停車したまま。特急「スーパーひたち」に追い越された。土浦でも長時間停車。のんびりした鈍行の旅は楽しいものだが、今は悲しい気分。
日が落ちて車窓は真っ暗。そこで、携帯電話で乗り換え検索サイトをチェックする。やはり遅れは取り戻せないようだ。予定通り八王子へ向かっても、手前の立川から南武線で南下しても、途中で終電になってしまう。
しかし、高崎から湘南新宿ラインの最終便に乗って横浜へ行けば、京浜東北線で蒲田にたどり着けることが分かった。横浜まで行けばプラを稼げるし、乗り換えもないからラク。代案にしては上出来だ!――そう思ったら元気がでてきた。今回は房総半島を一周したし、これから水戸線や両毛線にも乗る。なかなか充実した旅ではないか。横浜線や南武線は近いからいつでも乗れる。次に八高線を大回りするときに乗ってもいい。
真っ暗になった友部駅。ここで水戸線に乗り換えて北西へ進路を変える。24分の待ち時間を寒いホームで過ごす。予定通りなら10分待ちだったけれど、時間が遅くなると列車の運転間隔が広がってしまうのだ。終点の小山まで1時間ちょっとの乗車。車窓は真っ暗だから携帯電話で遊ぶ。バッテリーが切れてしまったが慌てない。バッテリー切れは予想していたので、あらかじめ乾電池式の充電器を持ってきた。18時25分小山着。八王子経由横浜線ルートにこだわるなら、ここで東北本線に乗り換えて都心へ行ってもいい。だけどここまで来たら高崎へ行こう。130円で高崎に行けるぞ。名物のだるま弁当はあるかな?
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