「文系・大卒・30歳以上」がクビにならないために……会社で生き残る方法吉田典史の時事日想(1/3 ページ)

» 2010年01月15日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)など。ブログ「吉田典史の編集部」


 前回、人事コンサルタントの深田和範氏に30代の会社員に忍び寄る危機について話をうかがった(関連記事)。深田氏は『「文系・大卒・30歳以上」がクビになる――大失業時代を生き抜く発想法』 (新潮新書) の著者でもある。そして今回は20〜30代の会社員が厳しい時代を生きていくうえで、身に付けたいおきたい力について話を聞いた。

 私が尋ねたポイントは2つ。(1)20代〜30代の会社員が職場というコミュ二ティーで生きていくうえで大切な力とは? (2)その力は具体的にどのようにすれば身に付くのか――。

 私がこのポイントを設けたのは、理由がある。ほとんどの企業は「業績評価」と「行動評価」の二軸で社員を評価しているが、多くのメディアや有識者は前者ばかりを伝えている。つまり「業績(成果)を出さないと、生き残れない!」というものである。メディアで働く記者や編集者、そして有識者の多くが人事のことを苦手としているから、こういう表層的なとらえ方は分からないでもない。だが、私はこの考え方にくみしない。

 リストラのときに会社が検討するのは業績評価と同時に、いやそれ以上に今後の業績につながる「行動評価(取り組み姿勢や学びなど)」なのである。業績だけで社員を評価できるならば、それはある意味で「公平」だろう。しかし残念ながら、会社はそこまで単純な組織ではない。ましてや、対象が20〜30代ならば将来の幹部(課長以上)候補生なのだから、おのずと「行動評価」に重きを置くことになる。しかし、この「行動評価」はとかくあいまいな基準になりやすい。だから、怖いのだ。このような問題意識のもと、前述のポイントを深田氏にぶつけてみた。

 「会社員である以上、実績をあげて上司や同僚から一目おかれるようになることがベストでしょう。しかし、いまの時代はなかなか難しいと思いますね。そうすると、いかに実績をあげやすい、いわば“おいしい仕事”を担当するかということになります。このような仕事をゲットするためには、仕事の割り振りをする上司に気に入られることが前提になります」(深田氏)

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