「お化粧買い」期待も空振りに終わり、方向感なく小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年09月30日 16時19分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10133.23円 △33.03円
売買高 16億3401万株
日経平均先物 10110円 △10円
売買代金 1兆1220億円
TOPIX 904.52 △0.52
値上がり銘柄 994銘柄
東証マザーズ指数 450.22 △0.03
値下がり銘柄 560銘柄
日経ジャスダック平均 1228.99円 ▼2.64円
変わらず 127銘柄
騰落レシオ 82.09% △5.27%

日経平均

「お化粧買い」期待も空振りに終わり、方向感なく小動き

 米国株は軟調となったのですが、円高が一服となったことや昨日の戻りの鈍さで米国株の下落を織り込んでいたことなどもあり、底堅い堅調な始まりとなりました。寄り付きからまとまった売り買いは見られず、為替が円高に振れても反応は鈍く方向感のない展開となりました。月末、中間期末と言うことで「お化粧買い」期待もあり、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたのですが買い急ぐ動きもなく、上値の重さに嫌気して見切り売りがかさむでもなく方向感のない展開が続きました。

 後場に入ると一段と動きは鈍く、指数は全くと言って良いほど動きはありませんでした。先物にまとまった売りが出て一瞬下押す場面もありましたが、追随する動きもなくすぐに10100円を挟んだ水準まで戻り再び膠着となりました。引けを意識する時間帯には「お化粧買い」を煽るかのような先物への買いも見られましたが反応はなく、結局最後まで方向感のない展開が続きました。手掛かり難ということに加え、新政権の政策の方向性が見えないことから手を出し難いということなのでしょう。

 小型銘柄も小動きとなりました。小口の手仕舞い売りに押されるものも散見されましたが、最後に買いが入り、東証マザーズ指数は堅調、二部株指数や日経ジャスダック平均は小幅高となりました。先物は閑散とした状況で仕掛け的な動きにもほとんど反応はありませんでした。目先筋の小口の小掬い商いは見られるもののまとまったヘッジ売りや持高調整の動きも見られず、指数を方向付ける要因ともなりませんでした。

 景気回復を期待する動きや先行きに対する期待は強いのですが新政権の政策の方向感が見えず、具体的な手掛かりがないと手を出せないということのようです。株式市場にとってネガティブな発言や政策も見られ、安心して株を買っていられないということなのでしょう。月末、期末ということで目先筋の手も出にくく、途端に売買高も少なくなってしまうようです。ただ、売り急がなければならない理由もなく、明日以降、月が替われば目先筋の売買も復活するものと思われ、景気の回復度合いを測りながら、米国などの経済指標に振らされながらも動きは出てくるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 引き続き方向感のない展開です。雲の上限を未だ抜け切れず、上値の重さを確認しています。ただ、雲が上昇しているところでもあり、強含みになる可能性もありそうです。ストキャスティックスは底値圏にあるのですが、RSIに下落余地があることから、上値の節目=10150円から10250円を抜けるにはもう少し時間がかかり、いったんは下値を試す場面もあるのかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 相変わらず上値の重い展開となっています。雲を割り込んでおり、調整感は否めず、ストキャスティックスは底値圏にあるのですが、RSIはまだ下落余地もあり、もうしばらくは下値を固める動きで、上値は雲に押さえられてしまうものと思います。

円相場

NYダウ

 「三川」のような形となり、ここで1ドル=90円を保てれば戻りを試す動きになったのでしょうが、90円を割り込んでくるとまだまだ下値を探る動きが続くと見てもいいのではないかと思います。RSIやストキャスティックスが底値圏になるまではまだ下値を探る展開が続くということなのでしょう。

銘柄ピックアップ

引けのお化粧買いで戻すものも見られた

ガイシ(5333) 2080 △169

 昨日の引け後に自動車用排ガス浄化装置の販売が計画を上回ることから、2010年3月期の連結純利益を上方修正、好感する買いが入り買い気配から始まって大幅高となりました。

新日石(5001) 504 △4 、 京セラ(6971) 8330 △20

 家庭用燃料電池を共同開発し、小型で発電効率の高い次世代製品を2011年度に発売すると報じられたことから、買い先行で始まりましたが円高に振れたことや業績への寄与も先の話になるということで上値も限定的となりました。

大特鋼(5471) 326 ▼7

 昨日の引け後に2009年4−9月期の連結最終利益の赤字が拡大する見通しと発表、期待された自動車向け鋼材が伸び悩むことや産業機械向けの高級鋼材の販売低迷が要因とされ、下方修正を嫌気する売りに押されて一時大幅安となりました。

CSK HD(9737) 339 △22

 住商情報(9719)と資本提携に向けた検討を開始すると新聞で報じられたことから、財務基盤が強化されて再建が進むとの期待が高まり、好感する買いが入り大幅高となりました。

三井不(8801) 1519 ▼34 、 菱地所(8802) 1412 ▼20

 新政権の不動産市場に対して税制を含む規制強化を懸念、金融機関の自己資本規制や返済猶予の問題もあることから、外資系証券が投資判断を引き下げ、大幅下落となりました。両社以外にも住友不動産(8830)やNTT都市開発(8933)なども投資判断を引き下げられ、一時は軒並み大幅下落となりました。

フォスタ電(6794) 1982 △260

 昨日の引け後に薄型テレビ向けスピーカーや携帯音楽プレーヤー向けヘッドフォンの生産・販売が好調だったことから2009年4−9月期の連結純利益の上方修正を発表。好感する買いが入り大幅高となりました。

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