医薬品のネット販売を検討した会議の議事録がすべて公開誠 Weekly Access Top10(2009年8月1日〜8月7日)

» 2009年08月12日 12時53分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 先週最も読まれた記事は「朝日新聞の記者はそんなにスゴイの? 日本の常識と世界の非常識」。2位は「学校で被爆の苦しみを教わらなかった……米国で広がる『はだしのゲン』」、3位は「若いジャーナリストの芽を摘んできたのは……この男たちだ」だった。

医薬品のネット販売について検討した会議の議事録がすべて公開

 ランキングとは離れるが、先週筆者が一番気になったのは医薬品のネット販売について検討した会議の議事録がすべて公開されたこと。

 6月1日に施行された改正薬事法。さまざまな変更があったが、中でも大きいのはすべての一般用医薬品に「対面販売の原則」を設けたことで、ネット通販などで販売できる薬が大幅に減ったこと。この是非をめぐり、施行直前に開催された「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」で激論が戦わされたという報道を目にした人も多いだろう。

 利便性向上のためにネット販売を肯定する意見も、安全性重視のためにネット販売を否定する意見も双方理があるように思える。このほど、全7回の議事録が公開されたことによって議論の全容が明らかになった。

 議事録を読むと、ネット販売の是非についての議論がメインなのだが、「施行ギリギリになって、半分結論ありきで開催した検討会なのではないか」という不満が賛成派反対派双方から出ていたのが印象的だった。第2回では楽天の三木谷浩史社長が業界団体からの政治献金リストを公開すると息巻いたり、第4回ではエンドユーザー代表としてなぜか元NTTドコモの夏野剛さんが登場したりと見せ場もあったりもする。

 ネット販売規制反対の署名が数十万人分集まるなど、関心の高い問題であるので、資料にリンクをつけて議事録を全文転載しようかと思っていたのだが、あまりに量が多いので筆者は断念した(ニーズがあればやります)。

 それにしても気になるのは検討会開催から議事録掲載まで、時間がかかっていること。第7回が開催されたのは5月22日なのだが、議事録が厚生労働省のWebサイトにアップされたのは7月27日と書いてある(だが、毎日更新状況をチェックしていた筆者の目からは8月6日〜7日にアップされたように見えた)。

 議事録の掲載が2カ月以上かかった理由を厚生労働省に尋ねると、「テープ起こし業者の引き継ぎがあったため」という回答が返ってきた。ほかの会議の議事録の公開も遅れているので、実際大変だったのだろうとは思うのだが、こうした情報は話題となっている時に公開されないと価値が薄れる。できるだけ早く公開できるような制度を何とか作れないものなのかと感じる今日この頃だ。何なら僕がテープ起こしやりますよ! (バイト代はください)

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