利益確定売りに押されるも住宅指標の好転などを受けて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年07月28日 08時42分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9108.51△15.27

<NASDAQ>1967.89△1.93

<為替:NY終値>95.1-95.16

利益確定売りに押されるも住宅指標の好転などを受けて堅調

 ここのところの上昇の反動や一部の芳しくない決算などを受けて軟調な場面もありましたが、6月の新築住宅販売が予想を大きく上回ったこともあって、底堅く、最後は買戻しを急ぐ動きも見られダウ、ナスダック共に堅調となりました。決算発表への反応もほぼ一巡した格好で利益確定売りも多かったのですが、経済指標の発表が続くことから売り込み難いという感じです。逆に住宅指標などにも景気回復の兆しが見られることから、売り方は買戻しを急ぐ場面も見られるようです。

 ようやく、ナスダック指数に引っ張られるようにダウ平均も昨年11月水準を回復して来ました。ダウ平均採用銘柄の変更などもありましたが、景気回復期待がかなり強まっているということなのでしょう。原油や貴金属の価格も底堅い堅調な展開となっており、ドルが強含みとなっているところを見ても信用収縮懸念も薄れているものと思われます。目先的な過熱感もあり、利益確定売りもかさんで来るものと思われますが、今後の経済指標の発表で景気回復が裏付けられるのかどうかが注目されます。

 個別にはレナーやバルトホームズなど住宅関連銘柄が大幅高となり、バンクオブアメリカやJPモルガンチェースなど金融株も高くなりました。格付け会社が見通しを引き上げたフォード・モーターが大幅高となり52週高値更新となりました。先週末発表の決算が芳しくなかったマイクロソフトは下げ止まらず、投資判断の引き下げのあったボーイングも軟調、決算は予想を上回ったものの法人部門の売り上げの落ち込みが大きかったベライゾン・コミュニケーションズは利益確定売りもかさみ大幅下落となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国市場の底堅さや外国人が買い越しと伝えられたことなどから買い先行となり、大幅高となりました。引け値ベースでは年初来高値更新とはなりませんでしたが、先物主導で一時高値更新となる場面もあり決算発表の本格化を前に業績回復期待の強さが見られます。腰の据わった買いが入っているような雰囲気でもなくあくまでも先物主導、目先的な需給に振らされてはいるのですが、地合いは好転していると見ても良いものと思います。

 米国市場が堅調、為替も円安に振れたことから、本日も堅調な展開が期待されます。ただ、米国市場に引きずられる格好で急反発とはなっていますが、決算発表が本格化するなかで、期待先行となっている感も否めません。目先的な過熱感もあり、上値も限定されるのではないかと思います。原油価格など商品市況が堅調なことから信用収縮懸念も少なく、売り叩く動きは少ないものと思われます。ハイテク銘柄など輸出関連銘柄がまだまだ中心ではあるのでしょうが、内需関連銘柄や資源株などに物色対象が広がるか、あるいは中心が移って行けば市場全体の上昇基調は続くものと思います。

 6月高値を抜けるのかどうかが注目されますが抜ける抜けないというよりも、10000円が上値と思われていただけに逆に10000円台を保つことが重要なのだと思います。10000円を割り込まないとのコンセンサスが出来ると、今度は10000円を底値に上値を試す動きとなるものと思われるので、取りあえずは10000円台を固める動きになって来るものと思います。出遅れ銘柄を物色するような動きが出る中で、先駆した銘柄にそこ堅さが見られれば、10000円台を保ち、上値追いとなって来るのでしょう。

本日の注目点

◇5月の米S&Pケース・シラー住宅価格指数

◇決算・1−6月期:キヤノン(7751)

◇決算・4−6月期:日立製作所(6501)、コマツ(6301)、JFEHD(5411)、ヤフー(4689)

◇決算・4−6月期:英BP、ドイツ銀行

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