悲観的な経済見通しで軟調となる場面もあったが、買戻しも入り堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年04月09日 08時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>7837.11△47.55

<NASDAQ>1590.66△29.05

<為替:NY終値>99.73-99.79

悲観的な経済見通しで軟調となる場面もあったが、買戻しも入り堅調

 前日の大幅下落の反動や朝方発表になった卸売売上高が前月比で8ヶ月ぶりにプラスになったことなどを好感、買い先行で始まりました。金融安定化法の支援対象に生命保険会社も入ると報じられたことや住宅建設大手の買収の話題、前日引け後の決算で小売り大手の決算が予想を上回ったことなどもあって、順調な戻りを見せたのですが、FOMC(公開市場委員会)議事録要旨が発表されるとFRB(連邦準備理事会)の景気の見通しが非常に厳しいものがあるとして、目先筋の利益確定売りや見切り売りに押される場面もありました。最後は空売り規制の具体案が出て来たことなどから買戻しも入り堅調となりました。

 企業決算の発表に右往左往する展開となりそうですが、景気の見通しなどは以前厳しく、景気の底入れ確認とはいかないようです。ただ、足元の経済指標は好転するものも多く、雇用不安などは残るもののセンチメントは上向きつつあるようです。小売り銘柄に好決算が見られたことで個人消費の回復=景気の回復という図式でハイテク銘柄なども買われるなど、景気、株価ともに底入れ感は強まっています。これからの決算発表も芳しくないものへの反応より好決算に対する反応の方が敏感なものとなるのかどうかに注目してみてもいいのでしょう。

 個別には前日の引け後に予想を若干下回る決算を発表したにもかかわらず、アルコアは堅調な推移となり、公的資金の支援対象とされたハートフォードファイナンシャルサービスやプルデンシャルなど保険株が軒並み上昇、予想を上回る決算を発表したベッドバスアンドビヨンドが急伸、連れてウォルマートなど小売り銘柄全般に堅調な展開となりました。小売り銘柄の決算が好調となったことから景気回復期待も強まり、IBMやクラルコムなどハイテク銘柄も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や為替が円高に振れたことから大幅下落となりました。売り先行で始まった後も戻りの鈍さを嫌気する売りや業績下ブレ懸念などから売り急ぐ場面もあり、大幅下落となりました。ディフェンシブ銘柄の一角などは底堅く堅調なものもありましたが、ハイテク銘柄などここまでの戻り相場を牽引した銘柄などは利益確定売りもあり大きく値下がりし、指数を押し下げる要因となりました。

 米国市場が反発となったことや為替が比較的落ち着いてきたことなどから底堅い堅調な展開が期待されます。寄り付き前に発表される2月の機械受注統計も予想はマイナス6.0%(QUICK調べ)となっていますが、この予想などから大きく乖離するようであれば変動要因となって来るのでしょう。昨日発表にされた景気ウォッチャー調査などでも景気の底堅さ、底入れ感が期待されており、こうした数字が好転してくると新規資金の買いも入って来るのではないかと思います。景気底入れ感が強まるような数字でなければ、引き続きハイテク銘柄などの利益確定売りや出遅れ感の強いディフェンシブ銘柄の物色、幕間つなぎとしての低位株の物色ということになるのでしょう。

 8800円水準でサポートされるかと期待されたのですが、あっさりと割り込んで大幅下落となってしまいました。下値の目処は8300円から500円あたりと考えられますが、とりあえずは8500円をしっかりとキープできるかどうかと言うところでしょう。その水準をキープできるようであれば、オプションSQ(特別清算指数)算出に絡んでの動きもあるのかもしれませんが、少しでも好材料が見られれば再び9000円超えを試すような展開となって来るのでしょう。あっさりと割り込んでしまうようであれば、8300円程度まで一気に下落となってしまうかもしれません。ただ、当面は大まかに見て8000円から9000円の間の動きとなるのではないかと思います。

本日の注目点

◇2月の機械受注(内閣府):予想−6.0%(QUICK)

◇英イングランド銀行金融政策委員会

◇3月の米主要小売業売上高

◇2月の米貿易収支

◇決算・2月期:セブン&アイ・HD(3382)、ファミリーマート(8028)、サークルKサンクス(3337)、オンワードHD(8016)、スター精密(7718)、ユニー(8270)

◇決算・9−2月期:ファーストリテイリング(9983)

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