先週最も読まれた記事は「こうすればワタシは“落ちる”――現役キャバ嬢に「口説き方」を聞いた(後編)」。2位も「現役女子大生のキャバ嬢に学ぶ! プロフェッショナルなトーク術(前編)」と現役女子大生のキャバ嬢“マイちゃん”から女性を口説くテクニックを教えてもらった記事が上位を占めた。
確かに口説き術を身に付ければ、多少はモテるようになるかもしれない。しかし、恋愛を市場主義でとらえるなら、モテるためにはもっと良い方法がある。それは、競争が激しくない市場に参入すること、つまり(男性なら)男性より女性が多いような環境に身を置くことだ。
恋愛でテクニックが必要となるのは、ライバルが存在するから。もし、ライバルが存在しない環境ならば、さしたるテクニックは持っていなくとも、あきらめて(?)付き合ってくれる可能性は高くなる。モテるためには恋愛市場におけるブルーオーシャン※を探すべきなのである。
競争の激しい市場では、払う犠牲も大きい。ほかのライバルに負けないように、こまめな気配りをしたり、食事をおごったりしなければならないこともあるだろう。激戦を勝ち抜くために手間と費用がかかるのは、ビジネスでも恋愛でも同じだ。
とはいえ先日、筆者はあるオフ会で「30歳を超えたら、合コンの会計がワリカンになるようになった」という女性の嘆きを耳にした。はっきりとした理由は不明だが、一般にカップルは男性が女性より年上であることが多い。最近、年上女房が増えてきたという話も聞くようにはなったが、2005年の「人口動態統計」(厚生労働省)の平均初婚年齢を見ると、男性は29.6歳、女性は27.8歳となっている。男性が年下を好み、女性が年上を好むと仮定するなら、年齢を重ねた女性は恋愛で当然不利になる。
若い時はちやほやされるが、いつのまにか扱われ方が変わってしまう女性。そこで男性が年下の女性のみを恋愛対象とし、女性が年上の男性のみを恋愛対象とするならば、どの年齢で男女の力関係が変化するか計算してみた。
具体的な計算方法は、2005年国勢調査から年齢別人口と未婚率※を抜き出し、各年齢での未婚人数を算出。そして、ある年齢の男女にとって恋愛対象となりうる相手の総数(男性は自分の年齢以下の未婚女性の総数、女性は自分の年齢以上の未婚男性の総数)を求めた。恋愛対象となりうる男女の年齢設定は人それぞれだろうが、ここでは17歳から42歳までと定めた(筆者のストライクゾーンとは特に関係はない)。
20歳の段階では女性の恋愛対象人数(20〜42歳の未婚男性)は1086万9488人であるのに対し、男性の恋愛対象人数(17〜20歳の未婚女性)は257万2217人と圧倒的に男性が不利な状況。しかし、これは27歳で逆転、女性の恋愛対象人数(27〜42歳の未婚男性)616万8370人に対し、男性の恋愛対象人数(17〜27歳の未婚女性)は659万4878人となる。そして、30歳時には女性の恋愛対象人数(30〜42歳の未婚男性)は441万0196人だが、男性の恋愛対象人数(17〜30歳の未婚女性)は788万6033人と、(同年齢で比較するなら)男性が有利な立場となる。ちなみに恋愛対象となりうる年齢を47歳まで引き上げると、逆転する年齢は1歳高くなり28歳となる。
男女の立場が逆転する27〜28歳は、女性の平均初婚年齢と重なる。年を重ねるにつれ有利になる男性より、不利になる女性の方が結婚へのモチベーションが高くなるはずなので、これは不利を悟った女性が逃げ切りを図った結果という考え方もできるかもしれない。
また、表を見ると、別の側面にも気付く。17〜19歳の女性人口を見ると、(2005年時点での)団塊ジュニア世代のピークである32歳の人数(99万5080人)より、各年齢で30万人ほど少ない(17歳63万8398人、18歳66万0443人、19歳67万4489人)。もしこの年代が団塊ジュニア世代と同じくらいの人口と仮定すると(=少子化がなかったらと仮定すると)、恋愛対象人数は26歳で逆転する。つまり、少子化が進み、若い女性が減っていることで、「逃げ切るのはもう少し後でいい」と安心感を持つ女性が増えていることが、晩婚化の原因となっているとも言えるのではないだろうか。一般的には、晩婚化が少子化を招いているとされているが、逆に少子化が晩婚化を招いている側面もあるかもしれない。
「42歳男性が17歳女性の恋愛対象になりうるか」「不倫はどうするんだ」などといった突っ込みどころもあるため、かなり大雑把な推論にはなっているが、こういった視点から男女の関係を眺めてみるのも面白いかもしれない。
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