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おサイフケータイをチケットにする意味とは――イープラスIC CARD WORLD 2009(1/2 ページ)

» 2009年03月07日 19時15分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 あなたはライブや演劇などのチケットを、オンラインで予約したことがあるだろうか? PCや携帯からプレイガイドの公式サイトにアクセスし、目的の興業のチケットを予約する。クレジットカードなどで決済をするまではすべてネット上でことが足りるが、最後の発券はそうはいかない。コンビニのマルチメディア端末やプレイガイドの窓口といったリアル店舗に行って、チケットを発券しなくてはならないためだ。

 携帯電話にチケットを書き込めれば、最後のプロセスが不要になり、ユーザーにとっても利便性が上がるはず……プレイガイド各社は2000年前後から携帯を使った電子チケットの可能性を模索していたが、なかなか普及には至っていない。

 そんな中、イープラスがおサイフケータイを利用した電子チケットを本格的に導入することを明らかにした。イープラスでは、ネットで販売しているすべてのイベントについて、従来の紙チケットだけでなく、電子チケットも選べるように進めていくという。今、改めて電子チケットに本格的に取り組む理由とは? イープラスの土岐雄二氏に話を聞いた。

イープラス

電子チケットを導入するメリットとは?

土岐雄二氏

 イープラスは2000年3月からサービスを提供しているネット専業のプレイガイドだ。プレイガイド市場の市場規模は約2000億円。イープラスのほか、ぴあ、ローソン、CNプレイガイドの4社が大手で、イープラスは3番手に位置している(ネット販売のみで見ればトップシェア)。

 「弊社はオンライン専業のプレイガイドですが、最後のところはどうしても紙のチケットにせざるを得ませんでした。これをなんとかしなくては、という意識はずっとありまして、2000年ごろから電子チケットの開発をしてきました。しかし従来は、コストとユーザーが簡単に使えない、ということがネックになり、なかなか普及が進みませんでした」(土岐氏)

 今回イープラスが導入する電子チケットのシステムは、フェリカネットワークスが展開しているおサイフケータイ用ソリューション「ピットモット」を使ったものだ(参照記事)。ピットモットはこれまでも、ap bank fesや東京モーターショー、東京ゲームショウといった大規模イベントのチケットとして採用されているが、今回は新たに電子チケット用のリーダー/ライターを開発し、電子チケットの仕組みをパッケージとして導入しやすくするという。

 ユーザーが電子チケットを利用する方法は以下の通りだ。ユーザーは携帯でイープラスの公式サイトにアクセス。行きたい公演情報を確認し、チケットを購入する。その後、公演のチケットデータをサーバからダウンロードして携帯のFeliCaチップに書き込む。公演当日は、会場に用意されたリーダー/ライターに携帯をかざせば入場できる。チケットを発券する手間が要らず、ユーザーは携帯1つで最初から最後まで済むのがポイントといえる。

ピットモットは、電子チケットのほか、会員証やポイントカード、スタンプカードなど多機能なおサイフケータイ用アプリケーション
リーダー/ライターはオフラインで利用できるものなので、ネット環境がない会場へも導入しやすい
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