SuicaやPASMOのデポジット料は500円、nanacoやWAONのカード発行手数料は300円かかる。FeliCaカードはほかの非接触ICカードに比べ、コストが高いのが難点と言われてきた。チップの値段が下がれば、これまでよりももっといろいろな種類のものに、FeliCaを入れられるようになる。そのために開発された廉価版FeliCaが「FeliCa Lite」だ。
FeliCa Liteはチップのサイズが小さく薄く、アンテナを張る面積も狭くて良いため、シールのように紙に貼り付けたり、小型のデバイスに埋め込んだりといった使い方が想定されている。ソニーブースでは、FeliCa Liteを埋め込んだ初音ミク&鏡音リンの2頭身フィギュアを使ったデモが行われている。
デモで使われているのは、「FeliCaランチャー」という新サービスだ(2008年秋に公開予定)。これは、FeliCaポート/PaSoRiにFeliCa※をかざすと、目的のアプリやWebサイトを起動させることができる技術。FeliCa Liteを埋め込んだ初音ミクをPaSoRiにかざすと、初音ミクの動画を見ることができる。
もう1つのデモも、FeliCa LiteとFeliCaランチャーを組み合わせたもの。FeliCa Liteを貼り付けた会員証を、ファンクラブ会員に配布する。アイドルのブログの中に、ファンクラブ会員だけが見られる動画コンテンツが埋め込んであり、会員証をFeliCaポートにかざすと、会員向けの動画が起動し視聴できる、というデモだ。ソニーがブログパーツやウィジェットを提供するサービス「FLO:Q」(フローク)を利用している。
チップやアンテナを小型化・薄型化することで価格を下げたのがFeliCa Liteだとすれば、電子機器に埋め込むことを想定して、FeliCaのアンテナ部分を取りだした簡易版が「FeliCa Plug」だ。
ブースでは、FeliCa Plugを埋め込んだ万歩計や体温計のデモを見ることができる。PCのFeliCaポートにかざすと、対応するソフトが起動し、万歩計内の歩数データや体温計内の体温データがPCに送られる。データをグラフで表示するのはもちろん、日本一周歩くことを模して、歩いた距離に応じてさまざまな地名が登場するなど、遊び心のあるソフトも簡単に開発できる。
「これまでにもUSB接続する健康機器はあったが、FeliCaを使えば機器をポートにかざすだけ/載せるだけなので、利用者にとっても手軽だ。また赤外線やBluetoothに比べると、機器を相互に起動する手間も要らないし、価格や消費電力という観点でも(FeliCa Plugは)優位だ」(担当者)
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