2008年、Business Media 誠で最も読まれた記事は……誠 Weekly Access Top10 特別編

» 2008年12月31日 07時42分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 2008年は金融危機が世界を震撼(しんかん)させた1年だった。サブプライムローン問題の広まりで、米リーマン・ブラザーズが9月に破たん。その影響で世界中の金融市場が混乱し、「史上●位の下落(上昇)率」といった言葉を何度も耳にするようになった。2007年末は1万5307.78円だった日経平均株価は、2008年末は8859.56円にまで下落。年間の騰落率は史上最悪のマイナス42.12%だった。

 目まぐるしく移り変わる時代に、企業も対応。松下電器産業はブランド戦略の一環で社名をパナソニックに変更。また市場環境の変化から、本田技研工業(ホンダ)がF1から撤退富士重工業(スバル)やスズキもWRCから撤退するといった出来事もあった

 政治分野では環境問題などが話し合われた洞爺湖サミット後に福田康夫首相が突然辞任、辞任会見での「あなたとは違うんです」という言葉は流行語ともなった。一方、米国では「CHANGE」をスローガンとした民主党のバラク・オバマ氏が、初の黒人大統領となることが決定した

 中国産冷凍食品への異物混入や事故米など食の不安が消費者を悩ませた一方、北京オリンピックでは水泳の北島康介選手やソフトボールの上野由岐子選手の活躍などで日本中が沸いた。

Business Media 誠で最も読まれた記事は?

 さまざまなことがあった2008年、Business Media 誠で最も読まれた記事は何だったのだろうか。ページビュートップ5の記事を紹介しよう。

第5位:合コンでモテる人の部屋には「○○」がある

 土肥記者十八番(?)の合コン記事が5位にランクイン。ほかの合コン記事の関連記事に入る機会が多かったため、アクセスを積み重ねられたようだ。記事中では首都圏の20代OLが遊びに行ってみたいと思う部屋の条件トップ5が挙げられているのだが、筆者の部屋は全く条件に合致しておらずガックリした覚えがある。

第4位:「幽霊なんて出ませんよ」――格安家賃の“事故物件”を探してみた

 先住者が部屋の中で亡くなった事故物件を格安で貸し出す、UR都市機構などの試みを紹介した記事。事故物件が人気だったことは筆者も予想外で、「多少モノに問題があったとしても、価格が安ければ購入してもいい」という考え方はある意味時代の流れに乗っているのかもしれないなと感じた。

第3位:“ポニョ”を作りながら考えていたこと:悪人を倒せば世界が平和になるという映画は作らない――宮崎駿監督、映画哲学を語る(前編)

 『崖の上のポニョ』が夏にヒットしたことを受けて、日本外国特派員協会で宮崎駿監督が講演した様子を詳細に紹介した記事。宮崎駿監督の人気は高く、前後編合わせたはてなブックマーク数は1000を超えた。「どの時代に一番懐かしさを感じるか?」と問われての監督の回答に、会場中がため息をついたことが筆者の記憶には強く残っている。

第2位:近距離交通特集:どうなる、こうなる首都圏の鉄道網――(1)横浜エリア編

 10月から始まった近距離交通特集の看板シリーズ。横浜エリア編に始まり、近畿編にまで続く8シリーズのページビューを合計して2位にランクインした。1シリーズあたりの分量が非常に多く、しかも堅い文章なので、「読者に受け入れられるのだろうか」と不安に思っていたのだが、結果的には大好評のシリーズとなった。

第1位:会社を辞めたい……そう感じる人が多い業種

 1位となったのは、仕事に関する調査記事。給料や転職など労働関係の記事は多くのページビューを集める傾向にあるが、この記事はその中でも特に読者の注目を集めたようだ。とはいえ金融危機の影響で正社員の雇用も脅かされている昨今、「辞めたい」と思うような仕事でも続けられるだけ幸せなのかもしれない。

編集部員のおススメは?

 アクセス数とは別に、Business Media 誠編集部員がおススメする記事も別に紹介しよう。

 吉岡編集長のおススメは、「クレジットカードの基礎知識」に代表されるクレジットカード特集。中でも自分は持っていない、プラチナカードやブラックカードの取材が面白かったということだ。

 そして、2004年に入浴剤騒動が起きた白船グランドホテルの若女将・齋藤ゆづるさんのインタビュー。齋藤さんがメディアに対して当時の話をしたのは、温泉偽装問題が起きてから初めてのこと。 あの時、メディアは数ヶ月盛り上がったあと、温泉偽装問題が話題に上ることもまずなくなったが、渦中にいた人たちにとっては3年以上経っても続いているのだと痛感した取材だったという。

 土肥記者のおススメは、「フィナンシャルリッチに聞く、金融商品の考え方」、2月中旬からスタートしたフィナンシャルリッチ特集の1本目の記事だ。その前のクレジットカード特集が好調だったため、土肥記者は「フィナンシャルリッチ特集で“勢い”を止めてはいけない」というプレッシャーを感じていたという。

 不安を感じながらのスタートだったがまずまずの滑り出しで、その後の特集記事でも「勝間和代氏に学ぶ、金融リテラシーの基本7カ条とは? (前編)」「“守りながら攻める”普通預金&定期預金の使い方」などが好評だった。

 近距離交通特集も2009年1月に終わり、その後また新しい特集が始まるので楽しみにしていただきたい。それでは、よいお年を……。

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