日本人にとって最も馴染みの深い食べ物とも言える米。だが、もみを脱穀する際に出る大量のもみ殻が廃棄物となり、これまで問題になっていた。そこでイトーキではもみ殻を再利用して板を製作する技術を開発、その板を使った家具をエコプロダクツ2008で紹介していた。
もみ殻を原料にした板を使用した学童用机・いすを展示していたのは、事務機器メーカーのイトーキ。
もみ殻に接着剤を足し、木枠に入れて形を整えた上で、熱を加えて圧縮。これにより「ハスクボード」という板を製作できるのだという。
「強度が不足しているため、現在は柱の部分には使えないが、天板としては十分な強度を備えている。将来的にはほかの建材として使うことも考えているが、強度不足に加えて少し重いのも課題になっている」(イトーキ)
イトーキでは環境問題に取り組むに当たって、再利用できるような素材を探していたが、2つの理由からもみ殻を選択した。
1つ目の理由は、もみ殻は炭にして畑にまかれるなどして一部再利用されてはいるが、基本的には余って焼却処分されている素材だったこと。2つ目の理由はJAがもみ殻を回収しているために、入手しやすい素材であったこと。「廃棄物を再利用するに当たっては回収方法が常に問題となるが、もみ殻の場合はそれをクリアしていた」(イトーキ)
また、もみ殻200トンを焼却処理するとCO2は200トン発生するが、再利用してハスクボードを製造するとCO2は40トン発生するだけで済むという。そして、イトーキの工場がある滋賀県産のもみ殻を利用しているため、地産地消という意味合いもあるという。
今回出品した机・いすは試作品のため価格は付けられていないが、「価格は従来製品の1.5倍以内には収まると見込んでいる。発売時期は来年の予定」(イトーキ)
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