島耕作の世界が現実に!?――パナソニックと三洋電機の関係誠 Weekly Access Top10(2008年10月25日〜10月31日)

» 2008年11月04日 15時21分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 先週最も読まれた記事は「合コンでモテる人の部屋には「○○」がある」。合コン関係はこのほかにも「こうすれば合コンで彼女ができる? 注意点は2つだけ(前編)」「ただいま“婚活中”8%、これから26.5%――独身男女の婚活調査」「新しい合コンの形、“リョウコン”って何?」「こうすれば合コンで彼女ができる? ものすごく簡単に盛り上がる方法(後編)」などがランクイン、トップ10の半分を合コン関連記事が占めており、関心の高さがうかがえた。もしかすると、クリスマスが迫っていることが、読者が興味を持つ要因となったのかもしれない。

マンガの世界が現実に!?

 さて先週末に飛び込んできたのが、パナソニック(旧名:松下電器産業)による三洋電機買収のニュース。2008年3月期の売上高は、パナソニックが9兆689億円で三洋電機が2兆178億円。買収が実現すれば合計11兆867億円となり、電機業界1位の日立製作所(11兆2267億円)に迫ることになる。個々の製品でも勢力図が変化するものがあり、『日経市場占有率2009年版』によると、洗濯機やカーナビなどではシェア1位に躍り出る。

 もともとパナソニックと三洋電機は因縁浅からぬ関係。松下電器産業創業者の故松下幸之助氏は、三洋電機創業者の故井植歳男氏の義兄。松下電器産業創業時から2人は一緒に働いていたが、戦後のGHQによる公職追放で経営陣は1人を残して離れなくてはならなくなったことから、松下氏を残すため井植氏は辞職。その後、井植氏は三洋電機を創設し、松下電器産業からの支援を受けながら発展していった。こうした過去の経緯を考えると、買収が成立するならば両社は本来あるべきところに戻るとも言えるかもしれない。

 しかしこの買収のニュース、実は違う意味でも注目を集めている。サラリーマンの出世物語を描いた「島耕作シリーズ」の展開とそっくりなのだ。

 2008年春に主人公の島耕作が勤める「初芝」は「五洋電機」と経営統合し、「初芝五洋ホールディングス」が誕生、その初代社長に島耕作が就任した。初芝のモデルは、漫画家の弘兼憲史氏が勤めていた松下電器産業。五洋電機のモデルは、その名の通り三洋電機。島耕作シリーズでは現実の展開を先取っていたのだ。

 買収のニュースのはてなブックマークを見ると、「リアル初芝五洋ホールディングスktkr!」「弘兼先生が満面の笑みでインタビューに応じる姿が見えるようだ」といったコメントが続々と寄せられている。

 パナソニックが三洋電機を買収後、社名やブランド名などをどうするかはまったく分からない(そもそも11月4日現在、買収は正式発表されていない)。しかし、漫画の方では新社名と新ブランド名を現在募集しているところだ。買収が決まれば、もしかすると現実の合併の方でも新社名などを募集するかもしれない。

「社長島耕作」では、初芝五洋ホールディングスの新社名・新ブランド名を募集している(「社長島耕作」スペシャルサイトより)

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