エコカー専門レンタカー店の看板は“電気自動車”

» 2008年08月13日 19時34分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]
イタリア製電気自動車「ジラソーレ」(出典:オートイーブィジャパン)

 環境意識の高まりに加え、ガソリン価格が高騰していることから、CO2を排出せず、走行コストも抑えられる電気自動車が注目されている。価格や充電設備の問題から一般家庭が電気自動車を保有することは困難だが、電気自動車をレンタルできるレンタカー会社が登場、静かな人気を集めている。

 電気自動車のレンタルを行っているのは、神奈川県横浜市のエコカー専門店「ECOレンタカーKOEI」(高栄企業)。イタリア製電気自動車の「ジラソーレ」を30分500円で貸し出している。

 ジラソーレは2人乗りの電気自動車で最高時速は65キロ、満充電での走行距離は120キロ。2007年6月に「ECOレンタカーKOEI」が開店した当初の客足は芳しくなかったが、今では「電気自動車の噂を聞きつけた人が東京から乗りに来る」(高栄企業)こともあって好調だという。

 もともと船舶リースを行っていた高栄企業が、レンタカー事業に進出したのは6年前のこと。大手レンタカー会社との対抗上、特色を打ち出すためにエコカー専門店「ECOレンタカーKOEI」を開店。電気自動車のほかにも、シビックハイブリッド(ホンダ)やプリウス(トヨタ自動車)などのハイブリッド車や、ミラ(ダイハツ)やステラ(スバル)などのアイドリングストップ車のレンタルを行っている。

電気自動車のレンタルだけでは赤字

 ジラソーレのレンタルを始めたのは、神奈川県が電気自動車を普及する方針を示したことがきっかけ。ジラソーレの価格は260.4万円だが、電気自動車の購入には国から77万円、横浜市から30万円の補助金が下りるため、150万強で購入できる。

 電気自動車などのエコカー専門レンタカー事業は、神戸エコカー(兵庫県)が1998年から行っていたが、経営の行き詰まりから2002年に自己破産を申請している。高栄企業でも「当時より維持費は安くなっているものの、電気自動車のレンタルだけをみると赤字。ほかのレンタカー事業のための広告宣伝費と考えている」と判断している。

 電気自動車のレンタルで「ECOレンタカーKOEI」の知名度が上がったこともあって、エコカーレンタカー事業は順調に伸びている。高栄企業では9月中に「ECOレンタカーKOEI」の2店舗目を横浜市内に出店する予定だ。

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