私がトイレで手を洗わない理由誠 Weekly Access Top10(2008年4月12日〜4月18日)

» 2008年04月22日 16時25分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 先週、最も読まれた記事は「『通勤苦を解消せよ』(前編)――急行“廃止”や早起き特典」。4位にも続編の「『通勤苦を解消せよ』(中編)――有料着席サービス」がランクインしたほか、最終回の「『通勤苦を解消せよ』(後編)――輸送力アップ」も掲載しているので、合わせてご一読を。

家のトイレ内で手を洗わない3つの理由

 少々汚い話になるが、記者は家のトイレ内で手を洗わない。自分の名誉のために補足すると、トイレ内では洗わないが、トイレの外にある洗面所で手を洗うのだ。なぜなら家庭で設置されているトイレはタンク上部に手洗部が付いたものが多いが、ここで手を洗うことにちょっと抵抗感がある。

 その理由を3つ考えてみた。1つめの理由は、タンクに付いている手洗部にまで手をもっていくのが面倒だから。便器の大きさや高さによっても違うが、やや前かがみでかかとがわずかに浮く姿勢は、なんとなく“わずらわしく”感じてしまう。

 2つめは手洗部で手を洗うと、手に付いている水が便座に落ちるかもしれない――これが嫌なのである。もし便座マットなどを敷いていると、「水が落ちたらどうしよう」と落ち着けない。なぜなら便座マットに落ちた水が乾かないうちに、次に使う人が便座に座ったらきっと“異和感”を感じるだろう。「ひょっとしてこれって……」と勘違いされたら、名誉挽回する余地というか機会すらないだろう。

 3つめは「トイレ内の水=汚い」という先入観があったが、さすがに今では手洗器から出てくる水が汚いとは思わない。しかし手洗器からの水をコップに注がれて、「どうぞ」と差し出されたら、さすがにひるんでしまうだろう。

タンクレストイレが普及すれば、トイレ内で手を洗う?

 家のトイレ内で手を洗う人からすれば「トイレで手を洗わないと、扉のノブが汚くなる」といった批判もあるだろう。確かにその通りなのだが、公衆便所を思い出してほしい。多くのタンクには手洗部が設置されていないため、ノブを触って扉を開けて、トイレの中に設置されている洗面所で手を洗わなければならない。

 しかし記者は「絶対に家のトイレ内では手を洗わない」といった考えではなく、3つの理由のうち1と2をクリアーできれば、おそらくトイレ内でも手を洗うと思う。この2つの理由をクリアーするためには、トイレタンクから手洗部を分離すればいいのかもしれない。

 すでにトイレタンクに手洗部がないトイレも販売されているが、狭いスペースでもトイレが設置できるタンクレストイレの普及が理想だろう。多くのタンクレストイレの場合、トイレットペーパーの横または便器の横あたりに手洗器が設置できる。しかしタンクレストイレ普及のカギとなるのは、やはり価格だろう。松下電工によると「タンク付きトイレの価格は16万円〜25万円が多いが、タンクレストイレは27万円〜36万円が相場」だという。これだけ価格の差があると「本当はタンクレスを設置したいが、タンク付きにするか」と断念した人もいることだろう。

タンクレストイレ市場の推移(出典:松下電工)

 しかしこれから新築やリフォームによってトイレを設置する人にとっては、“朗報”ともいえるニュースがあった。松下電工が「アラウーノS」(タンクレストイレ)の価格を「19万9500円」にすると発表したのだ。このアラウーノSの特徴は、ブラシを使った掃除が約3カ月不要の「全自動おそうじ機能」が付いており、「トイレ掃除が嫌」といった人には便利な機能といえよう。

 タンク付きとタンクレスの価格に大きな違いがなければ、今後、家庭でタンクレストイレが普及する可能性が高くなる。そうなれば1と2の課題をクリアーして、記者もトイレ内で手を洗うかもしれない。しかし、まだまだ改良の余地がありそうだ。それは手洗器が小さいこと。そのため手を洗っていると、どうしても水しぶきが床に落ちてしまう。もし便座の部分に水しぶきが落ちたら……と考えたら、まだまだ家庭のトイレ内で手が洗えない状態が続きそうだ。

コーナータイプ(右)であれば、手を洗うのにやや無理な姿勢を強いられる。自然な姿勢で手を洗うためにはカウンタータイプ(左)の方がいいだろう(出典:松下電工)

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