金融で儲ける基本の5カ条を、しっかりと頭に叩き込んでおこう。次に紹介するのが「金融リテラシーを身に付けるための10のステップ」だ。勝間氏は金融の基礎知識を習得しなければ、「リスクを管理することは難しい」という。そのためには段階を踏みながら、1歩ずつ歩んでいくことが必要だろう。
ステップ | 金融リテラシーを身に付けるための10のステップ |
---|---|
1. | リスク資産への投資の意思を固める |
2. | リスク資産に投資をする予算とゴールを決める |
3. | 証券会社に口座を開く |
4. | インデックス型の投資信託の積み立てを始める |
5. | 数カ月から半年、「ながら勉強」で基礎を固める |
6. | ボーナスが入ったら、アクティブ型の投資信託にチャレンジ |
7. | リスクマネジメントを学ぶ |
8. | リターンが安定したら、投資信託以外の商品にチャレンジ |
9. | 応用的な勉強に少しずつチャレンジ |
10. | 金融資産構成のリバランスの習慣を付ける |
ステップ1については「習うより慣れろ」という言葉がうまく当てはまるだろう。いくら投資に関する情報を入手していも、頭でっかちになるばかり。やはり自分のお金を投資資金として使ってみて初めて、「投資とはどういうものか」を肌で感じることができるのではないか。
「投資するお金がない」といった理由を挙げる人もいる。そういう人は一度、銀行預金、生命保険など自分の金融資産を見直してみてはいかがだろうか。また「忙しいので、金融のことは勉強できない」という声も聞く。これに対し勝間氏は「金融の勉強をしないから、いつまでも労働でしか対価を得られません。そのため忙しいのです」と指摘する。つまりきちんと金融知識を学ぼうとしないために、運用ができず、結果的にお金が貯まらないということだ。
ステップ2について、勝間氏は2つのゴールを提案している。金融リテラシーを身に付けるということは、ワークライフバランスをよくすること。生活の自由度を高めるためにも、資産を積み上げていくことが重要となってくる。
ゴール1
20代後半から30代後半の場合、生活資金の最低6カ月〜2年分を貯める。なぜ最低6カ月以上なのかというと、ビジネスパーソンが転職や独立などを考えたときに、資金がネックとなって決意ができなくなることがある。労働と生活の自由度を高めるためにも、ある程度の資金を貯めておくことを勧めている。生活費が月に25万円かかる人であれば、25万円×6カ月=150万円、2年であれば600万円までの資金を貯めることを目標としている。
ゴール2
40代を過ぎてからの転職は一般的に難しい。また収入の減少やリストラという事態を想定すると、運用によって収入を手にする必要がある。そこで投資の収入によって、労働収入の10%〜30%を目標に挙げている。例えば年収700万円の人であれば、給与以外に年間140万円ほどの収入を投資によって手にするということだ。
ステップ3で証券会社で口座を開いたら、ステップ4のインデックス型の投資信託を積み立てていくことを、勝間氏は勧めている。初めて投資をする人にとって、まずはステップ4までを実行することが大切だろう。
繰り返しになるが、投資の基本は分散投資だ。株式や債券などに分けて投資している投資信託は、分散投資のパッケージ商品ともいえよう。間違ってもいきなり定期預金を解約し、100万円を元手にデイトレード(1日または数日で株などを売買する)をしてはいけない。まずは月々数万円から投資信託を購入することを、勝間氏は勧めている。
しかし投資信託といっても数多くの商品がある。投資の初心者であれば「ノーロード」と「インデックス投信」を中心に検討してみてはいかがだろうか? 前編でも紹介したが、ノーロードとは投資信託を購入する時に手数料がかからない商品だ。しかし手数料無料とはいっても、信託報酬(年間の維持手数料)がかかる。またインデックス投信とは、日経平均株価などを基準にして運用される投資信託で、一般的に信託報酬が安い。
しかしノーロードのインデックス投信といっても10〜20種類あるため、勝間氏は4つのインデックス投信を勧めている。
月々4万円を積み立てすることができれば、それぞれのインデックス投信に1万円ずつ投資をすることを、勝間氏は提案している。なぜなら「ほぼ同額を分散すれば、一番リスクが小さくなります」というのが理由だ。
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